かごと釣合おもりの重さ/エレベーターの設計

わたしたちが、マンションやビルで利用するエレベーターの多くは、トラクション式エレベーターという種類です。

マンションのエレベーター

トラクション式エレベーターは、人が乗り降りする「かご」と滑車を介して吊り下げられている「釣合おもり」で重量のバランスをとり、少ないエネルギーで効率的に駆動しています。

トラクション式エレベーターについて詳しくはこちら

では、この「かご」と「釣合おもり」は、どのような重量比率でバランスをとるように設計されているのでしょうか?

この記事では、かごと釣合おもりの重さについて、解説しています。

釣合おもりの重さを計算する方法

釣合おもりの重さは、「かご + 定格積載量の半分」となるように設計されます。

例えば、”かごの重さが1000kg”で”定格積載量が1300kg”の乗用エレベーターがあるとき、釣合おもりの重さは、次のように計算されます。

・かごの重さ = 1000kg
・釣合おもりの重さ = かご + 定格積載量の半分 = 1000 + 1300 ÷ 2 = 1650kg

かごと釣合おもりの重さ図

※定格積載量とは、かごに乗れる人または載れる荷物の最大質量です。

エレベーター事故について

上の例を見れば分かる通り、エレベーターに”誰も乗っていない”または”乗っている人が少ない”とき、「かご」より「釣合おもり」方が重くなります。

かご < 釣合おもり

つまり、かごを固定している巻上機のブレーキが何かしらの原因で効かなくなると、釣合おもりが勝手に落ちていき、逆にかごが勝手に上がってしまいます。

実際、巻上機のブレーキ不良が原因で、エレベーターに人が挟まれる事故(シンドラー社のエレベーター死亡事故)も発生しています。

「シティハイツ竹芝」12階のエレベーター(5号機)出入口で、男性がエレベーターから降りようとしたところ、戸が開いたままの状態でエレベーターが上昇し、乗降口の上枠とかごの床部分の間に挟まれた。男性は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。
出典:国土交通省「シティハイツ竹芝エレベーター事故調査報告書」

この事故がきっかけとなり、現在は、戸開走行保護装置(UCMP)の設置が法令によって義務付けられました。

戸開走行保護装置の設置義務付け(令第129条の10 第3項第1号)
エレベータの駆動装置や制御器に故障が生じ、かご及び昇降路のすべての出入り口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合、自動的にかごを制止する安全装置の設置を義務付ける。

戸開走行保護装置を搭載したエレベーターでは、万が一、巻上機のブレーキ不良が発生しても、独立したブレーキ(二重ブレーキ)により、直ちに、かごが停止するようになっています。

戸開走行保護装置(UCMP)について詳しくはこちら

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