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昇降機の豆知識

投稿日 2015/12/07
更新日 2023/05/29

垂直搬送機とは?特徴・使い方や導入時のメリットや法令について解説

工場

垂直搬送機は、その構造から安全性が高く、大切な荷物を効率的に垂直搬送することが可能になります。
さらに法的な面でも導入の障壁が低く、荷物用エレベータなどと比較してもメリットが非常に多い搬送設備です。

物流センターや工場・倉庫などの建物に設置され、さまざまな場面で活用されています。
一見するとエレベーターと同じように思われがちですが、実は建築基準法上では昇降機に該当せず、確認申請や定期検査の手続きが不要とされています。

本記事では、垂直搬送機の特徴や使い方、導入時に得られるメリットや法令上の規制について詳しく解説します。
垂直搬送機に関心をお持ちの方はこの記事を参考にしていただければと思います。

垂直搬送機とは?

垂直搬送機とは、さまざまな荷物を垂直に上げ下げして目的の階層へ移送させるための設備です。
一般的には物流センターや、工場・倉庫などで活用されています。

数多くの重い荷物を取り扱う工場や倉庫において、異なる階層に荷物を移動させることは労力と時間とリスクが発生します。
しかし垂直搬送機を利用すれば荷物の搬送をほぼ自動で行ってくれる為、目的の階への搬送がスムーズになり作業効率向上につながります。

垂直搬送機はあくまで荷物専用の搬送設備となるため、昇降路から荷物の搬出入を行う際には人が介入できない構造となっています。

特徴

垂直搬送機以外にも、上下階層に荷物を搬送する設備は存在し、エレベーター簡易リフト小荷物専用昇降機などが挙げられます。

垂直搬送機の特徴は、荷物を搬出入する際にトレーまたはコンベヤを使用するため、人が直接昇降路に入れない構造となっており、安全に上下階搬送を行うことができます。
そのため、垂直搬送機はエレベーターや簡易リフト・小荷物専用昇降機とは区別されています。

一般的に「エレベーター」「簡易リフト」「小荷物専用昇降機」などの設備は、建築基準法上「昇降機」と呼ばれます。
「垂直搬送機」は荷物の搬出入を人の手を介さず自動で行うため、建築基準法における昇降機には該当しません。
そのため作業時の安全性が高いだけでなく、本来必要な確認申請や法定点検が不要になりコスト面でもメリットがあるのが特徴です。

使用方法

垂直搬送機の使用法はおおよそ以下の手順になります。
※メーカーや機種によって操作は異なることがあります

  1. 垂直搬送機の入口ドアを開く
  2. 搬送したい荷物をトレーに設置する
  3. 荷物がトレーからはみ出ていないか目視確認する
  4. 垂直搬送機の入口ドアを閉める
  5. 操作パネルの「上昇」もしくは「下降」ボタンを押す
  6. 目的の階で垂直搬送機の出口ドアを開き荷物を取り出す

垂直搬送機は荷物をほぼ自動で目的の階へ搬送します。
そのため作業の効率化だけでなく、人が昇降路内へ入ることができない構造になっているため、事故リスクの低減にも繋がります。

垂直搬送機の種類

垂直搬送機の種類

垂直搬送機には以下の3種類のタイプがあります。
搬送する荷物の大きさや重さによって選択します。

  • トレー式タイプ
  • コンベヤ式タイプ
  • 連続搬送式タイプ

トレー式タイプ

搬送トレーの部分に荷物を手動で積載し、昇降するタイプです。
トレー搬送のため台車やパレット・ハンドリフト等で積み込みができるようになっており、荷物の形状を選ばず搬送可能です。

コンベヤ式タイプ

コンベヤ部分に荷物を載せることにより搬送トレー部分まで自動で搬出入を行い、昇降するタイプです。
コンベヤで動く為大型の重量物から小型の荷物までさまざまなニーズに対応できます。

連続搬送式タイプ

製造ラインと垂直搬送機をコンベヤで接続することにより、製造から搬送までを連続して荷物を昇降するタイプです。
工場の製造ラインや配送センターで活用されており、フロアから上下階にまたがる搬送を自動化することができます。

法令について

法令について

垂直搬送機は、建築基準法および労働安全衛生法における「昇降機」に該当しません。
そのため、建築基準法の「確認申請」や「定期検査」が不要となります。
ただし消防法の適用は受けますので、設置の際は注意が必要です。

垂直搬送機が何故昇降機に該当しないのか、また確認申請や定期検査も不要なのか理由を解説していきます。

昇降機の定義

なぜ、垂直搬送機は、昇降機に該当しないのでしょうか?
それを知るために、建築基準法における昇降機の定義を確認しましょう。

(昇降機)
第三十四条  建築物に設ける昇降機は、安全な構造で、かつ、その昇降路の周壁及び開口部は、防火上支障がない構造でなければならない。
2  高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。

出典:建築基準法第三十四条

建築基準法における「昇降機」とは、「一定の昇降路、経路その他これに類する部分を介して、動力を用いて人又は物を建築物のある階又はある部分から他の階又はある部分へ移動・運搬のための設備」と定義しています。

※このうち、建築物に設けられるもの、すなわち建築基準法でいう建築設備(法第2条第三号)に該当するものが建築基準法第三十四条の対象となります。

昇降機に該当しないもの

次の(1)から(3)に掲げる施設は建築物に設ける移動・運搬のための設備であり、昇降機に該当しないものとして扱われます。

(1)工場、作業場等に生産設備又は搬送(荷役)設備として専らそれらの過程の一部に組込まれる施設で、人が搬器の品物の搬出、搬入に直接介入せずに使用され、かつ、人が乗り込んだ状態で運転されるおそれのない構造となっているもの

vertical-conveyor1

(2)機械式駐車場(機械式駐輪場を含む。)、立体自動倉庫等の物品の管理のための施設(当該施設に搬入された品物等が自動的に搬出位置に運搬される構造になっているものに限る。)の一部を構成するもので、人が乗り込んだ状態で運転されるおそれのない構造となっているもの

(3)舞台装置であるせり上がり装置

垂直搬送機は、上記の(1)に該当するため、「垂直搬送機は昇降機ではない」ということになります。

確認申請

続いて、確認申請について確認しましょう。
確認申請とは、建築設備(昇降機)の工事を着工する前に、その計画が法令に適合しているかを審査することです。
確認申請に関しては、建築基準法施行令第百四十六条第1項第1号で定められています。

(確認等を要する建築設備)
第百四十六条  法第八十七条の二 (法第八十八条第一項 及び第二項 において準用する場合を含む。)の規定により政令で指定する建築設備は、次に掲げるものとする。
一  エレベーター及びエスカレーター
二  小荷物専用昇降機(昇降路の出し入れ口の下端が当該出し入れ口が設けられる室の床面より高いことその他の理由により人が危害を受けるおそれのある事故が発生するおそれの少ないものとして国土交通大臣が定めるものを除く。)
二  法第十二条第三項 の規定により特定行政庁が指定する建築設備(屎尿浄化槽及び合併処理浄化槽を除く。)

出典:建築基準法施行令第百四十六条

つまり、確認等(確認申請)が必要になるのは、以下の4種類になります

  • エレベーター
  • エスカレーター
  • 小荷物専用昇降機のフロアタイプ
  • 特定行政庁が指定する建築設備

垂直搬送機は、前述の通り昇降機ではないので「エレベーター」「エスカレーター」「小荷物専用昇降機」には含まれません。
また、建築基準法第二条から建築設備にも当てはまりません。

建築設備 建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。

出典:建築基準法第二条

垂直搬送機は、建築設備にも該当せず、昇降機にも該当しないため、先ほどの確認申請が必要な4種類にはあてはまらないため「確認申請は不要」ということになります。

※建築設備としての確認申請が不要という意味です。垂直搬送機の設置にあたり、防火区画等、関連法令の確認が必要となるケースがあります。

定期検査

続いて、定期検査について確認しましょう。
定期検査に関しては、建築基準法第一二条第三項で定められています。

(報告、検査等)
3  昇降機及び第六条第一項第一号に掲げる建築物その他第一項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

出典:建築基準法第一二条第三項

上記から、定期検査報告が必要になるのは、以下の3種類になります。

  • 昇降機
  • 第六条第一項第一号に掲げる建築物
  • その他第一項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するもの

垂直搬送機は、建築設備にも該当せず、昇降機にも該当しないため、「定期検査は不要」ということになります。

垂直搬送機導入のメリット

垂直搬送機導入のメリット

垂直搬送機を導入することによって得られるメリットには以下のようなものがあります。

  • 高い搬送能力
  • 事故が起きにくい
  • 法令に抵触しない
  • 導入コストを抑えられる

高い搬送能力

垂直搬送機は、荷物用エレベーターと比較しても高い搬送能力があります。
トレーに荷物を載せて操作するだけで搬送することができるので荷役作業の負担が大幅に軽減します。

他にも、搬送コンベヤと接続することで連続搬送も実現できるため、水平方向と上下方向を合わせた立体的な搬送システムが構築可能です。
また搬出入する出入り口の形状にはC型・Z型・両面型があるため、建物の状況に合わせて、自由なラインレイアウトも可能です。

※C型(同一方向)、Z型(前後方向)に搬出入する形状

人身事故が起きにくい

垂直搬送機は、荷物を搬出入する際に作業者が昇降路内に入ることができないため、人身事故が起きにくくなっています。

また操作も簡単で、作業者がボタンを押すと自動で荷物が搬送されます。
荷物のはみ出しや高さ制限をチェックするセンサーがあり、荷物の破損も起こりにくい設計になっています。

運用するに当たって、事故や荷物の破損のリスクを低減できることは、企業にとって非常に大きなメリットになります。

法令に抵触しない

垂直搬送機は、前述したとおり「昇降機」「建築設備」に該当しないため、建築基準法や労働安全衛生法の法令に抵触しません。
そのため、建築確認申請や設置後の法定検査など、行政に申請や報告する必要がありません。

導入コストを抑えられる

垂直搬送機は、建築確認申請や労働基準局の許可、設置後の法定検査などが不要になるため、導入コストを抑えることができます。

通常の荷物用エレベーターの場合だと、建築基準法の「昇降機」に該当してしまうため、建築確認申請などが必要になります。
そのため、通常よりも多くの工数がかかり、導入コストも膨れ上がってしまう傾向にあります。

垂直搬送機を導入する際の注意点

垂直搬送機を導入する際の注意点

垂直搬送機を導入する際の注意点として以下のようなものがあります。

  • 作業者の搭乗不可
  • 設置にスペースの確保が必要
  • 搬送したい荷物にあわせて機種を選ぶ

作業者の搭乗不可

垂直搬送機は、荷物専用の搬送設備です。
そのため人が乗って昇降することを想定した設備ではないため、事故防止のためにも人は絶対乗ってはいけません。

本来の使用方法以外で万が一事故が起きてしまった場合、行政指導に留まらず企業コンプライアンスを疑われる事態にもなるでしょう。
企業の信頼、そして何より作業者の安全を守る為にも正しく利用しましょう。

設置にスペースの確保が必要

垂直搬送機を設置するにはある程度のスペースの確保が必要になります。

昇降路部分に加えて荷物の搬出入スペースや、使用前後に荷役を行うエリアも必要になります。
また狭い作業場では避難経路の確保が難しくなるため、導入を検討する際は合わせて確認が必要です。

垂直搬送機には、トレーへの搬入方向を自由に選べたり、超低床ピットなど、建物の形状に合わせて省スペースで設置が可能な機種もあるので、検討している場合は気軽に業者様に相談すると良いでしょう。

搬送したい荷物にあわせて機種を選ぶ

垂直搬送機には、メーカーによって多種多様な機種が販売されています。
導入する際は、自社の目的にあった機種選びをすることが重要です。

例えば、汎用性の高い機種であれば、荷物の形状に関係なく搬送できたり、導入後に取扱商品が変わったとしても対応できるようになります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

垂直搬送機は、建築基準法や労働安全衛生法が定める「昇降機」に該当しない搬送設備です。
つまり荷物用エレベーターなどとは違い「確認申請」や「定期検査報告」は不要になります。
法令に抵触する部分が少ない設備なので導入の敷居も高くはありません。

垂直搬送機は、荷物専用の搬送設備で、作業者が搭乗しなくとも搬送できる設計となっているため、安全性も高く事故が起きてしまうリスクを下げることも可能です。
もちろん大掛かりな設備ではありますので、安全性の保持と性能維持のため定期的なメンテナンスなどの保守点検は必ず行いましょう。

垂直搬送機に関する不明な点があれば、ぜひお気軽にアイニチ株式会社までご相談ください

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