防爆エレベーター設置における危険場所の分類
危険場所とは
可燃性物質を取扱う工場や事業場において、大気中に放出・漏洩した可燃性ガス・蒸気と空気が混合して爆発の危険のある濃度に達するおそれのある箇所を、「危険場所」と呼びます。
可燃性ガス・蒸気を取扱う工場・事業場の例として次のような所があげられます。
- ○石油精製、石油化学工場
- ○油槽所(製油所で生産されたガソリンなどの石油製品を一時的に貯蔵し、タンクローリーに積み込む設備を持つ施設)
- ○ガソリン/LPG(液化石油ガス)/CNG(圧縮天然ガス)スタンド
- ○LNG(液化天然ガス)/LPG(液化石油ガス)ガス充填所
- ○火力発電所
- ○印刷作業所
- ○塗装作業所
- ○合成樹脂製造工場
- ○医薬製品製造工場
- ○半導体製造工場
- ○機械器具、部品洗浄作業所
- ○ゴム製品製造工場
危険場所の分類
危険場所は、爆発性雰囲気の存在する時間と頻度に応じて、次の3つの区分に分類します。
可燃性ガスや爆発性ガスが空気と混合した状態のこと。
分類する目的は、危険場所の危険性の度合いに応じて、防爆電気設備の経済性などを考慮して、最も適正な防爆電気設備(特に防爆電気機器)を選定使用するためです。
なお危険場所は、2008年10月1日より法的にも同様に、<>内記載の3つの各危険箇所に区分されるようになりました。
ゾーン0(0種場所)<特別危険箇所>
ゾーン0とは、爆発性雰囲気が、通常の状態において連続して又は長時間にわたって、もしくは頻繁に存在する場所をいいます。
API RP505(米国石油学会)では、爆発性雰囲気の生成時間が年間1000時間を超える場合を、ゾーン0とする目安を示しています。
ゾーン0となりやすい場所の例としては、容器内の引火性液体の液面付近があります。
電気機器などにおいて、その露出や感電する危険性のある部分を取り囲んでいる外枠。
ゾーン0のイメージ
ゾーン1(1種場所)<第一類危険箇所>
ゾーン1とは、通常の状態において、爆発性雰囲気をしばしば生成する可能性がある場所をいいます。
API RP505(米国石油学会)では、爆発性雰囲気の生成時間が年間1000時間から10時間の場合を、ゾーン1とする目安を示しています。
ゾーン1の場所の例としては以下が挙げられます。
- ・通常の操作による製品の取出し、ふたの開閉などによって爆発性ガスを放出する開口部付近
- ・点検または修理作業のために、爆発性ガスをしばしば放出する開口部付近
- ・屋内または通風、換気が妨げられる場所で、爆発性ガスが滞留する可能性のある場所
(ただし、このような場所で通風、換気がよい場合は、ゾーン1としての範囲は狭くなり、ゾーン2または非危険場所と判定されます)
ゾーン1のイメージ
ゾーン2(2種場所)<第二類危険箇所>
ゾーン2とは、通常の状態において、爆発性雰囲気を生成する可能性が小さく、また生成した場合でも短時間しか持続しない場所をいいます。
API RP505(米国石油学会)では、爆発性雰囲気の生成時間が年間10時間から1時間の場合をゾーン2とする目安を示しています。
ゾーン2となりやすい場所の例としては、次が挙げられます。
- ・誤操作によって爆発性ガスを放出したり、異常反応などのために高温、高圧になって爆発性ガスを漏出したりする可能性のある場所
- ・強制換気装置が故障したとき、爆発性ガスが滞留して爆発性雰囲気を生成する可能性のある場所
- ・ゾーン1の周辺またはゾーン1に隣接する室内で爆発性雰囲気がまれに侵入する場所
ゾーン2のイメージ
危険場所の区分に応じ、使用できる防爆構造も異なります。エレベーター部品も危険場所の区分によって選ばれます。
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