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昇降機の豆知識

投稿日 2018/07/04
更新日 2023/08/01

エレベーターに必要な点検・検査(定期検査報告・性能検査・保守点検)を種類別で解説

保守点検エレベーター画像

エレベーターは安全かつスムーズな運行を維持するために、定期的な点検と検査が必要です。
定期的な点検と検査はエレベーターの安全性と信頼性を確保するために欠かせません。

特に定期検査報告と性能検査についてはエレベーター所有者・管理者の法的義務があり、違反すると罰則もあるので必ず実施する必要があります。

本記事では、エレベーターの点検・検査について種類別で解説していきます。
エレベーターを安全に使用するためにも是非参考にしていただければと思います。

エレベーターに必要な点検の種類について

エレベーターに必要な点検には以下の3種類があります。

  • 定期検査報告
  • 性能検査・定期自主検査
  • 保守点検

特に「定期検査報告」と「性能検査」については、エレベーター所有者や管理者が必ず実施しなければならない法的義務があります。

定期検査報告

定期検査報告は、建築基準法第12条3項によって定められた検査制度で、建築物の安全性の確保を目的としています。
性能検査を受けるエレベーターと、ホームエレベーターを除く全てのエレベーターが対象です。
検査結果は、自治体で指定されている特定行政庁に報告が義務付けられています。

定期検査報告の項目は以下4項目にわかれています。

  • 特定建築物(建物自体や敷地)
  • 建築設備(照明や給排水などの設備)
  • 防火設備(防火扉や防火シャッターなど)
  • 昇降機等

この中で昇降機に関しては、検査を行うために必要な資格が異なります。
そのため、この検査を請け負う検査業者の中には、「特定建築物・建築設備・防火設備の検査は行うが、昇降機の検査は行なっていない」というところもあるので注意が必要です。

性能検査・定期自主検査

性能検査は労働安全衛生法によって定められており、積載量1トン以上のエレベーターである「特定機械等」と呼ばれるものに対して義務付けられています。

定期検査報告と性能検査は両方とも行う必要はなく、どちらか一方で問題ありません。
つまり、積載量1トン以上のエレベーターは性能検査を受け、それ以外のエレベーターは定期検査報告を受ける必要があります。

また、性能検査に該当する積載量1トン以上のエレベーターには、少なくとも月に1回は「定期自主検査」も同時に行う必要があります。

保守点検

保守点検については、前述の定期検査報告や性能検査のように義務付けされていません。

しかし、建築基準法第8条により「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と定められています。

エレベーターは建築設備にあたりますので、保守点検が必要になります。

定期検査報告について

定期検査報告済証

定期検査報告の対象

定期検査報告は、以下に該当するエレベーター以外は全て対象です。

  • ホームエレベーター
  • 積載量1トン以上のエレベーター(性能検査を受けているエレベーター)

検査に必要な資格

定期検査報告は、誰にでもできるものではありません。
以下の資格を持っている人のみが検査ができると定められています。

  • 一級建築士
  • 二級建築士
  • 昇降機等検査員

定期検査報告は法律で定められておりエレベーターの所有者には実施義務がある作業です。
しかしどれも取得の難しい資格ですので、所有者自身が資格を持っているケースはあまりないでしょう。
そのため実際には有資格者がいる専門業者に依頼することになります。
専門業者に依頼することで、検査および検査後の報告まで行ってくれます。

法律と罰則

定期検査報告は、建築基準法第12条3項によって義務付けられています。

またこの法律には定期検査報告を守らなかった場合の罰則も定められています。

建築基準法第101条では、「検査や報告を怠ったり虚偽報告をした場合には100万円以下の罰金が科せられる」とあります。
それほど重要な点検となっているので、建物の所有者・管理者は必ず定期検査報告を実施しなければなりません。

検査の頻度

建築基準法の第12条3項には「定期的に」検査報告を行うとされており、おおむね6ヶ月~1年までの間隔をおいて、特定行政庁が定める時期と定められています。
つまり「特定行政庁」によっては頻度や時期には異なりがあります。

検査内容

定期検査報告の検査内容については、国土交通省の告示で定められています。
点検項目は非常に細かく多岐にわたります。

以下が主な検査項目になります。

  • 機関室の通路・階段手すりの位置・戸の施錠・漏水や照明装置などに問題はないか
  • 制御装置が正常に作動するか
  • 階床選択機・巻上機・ブレーキなどに異常がないか
  • 電動発電機に異常がないか
  • かごの上昇時及び下降時の速度は適切か
  • 地震時等管制運転装置の作動状況
  • かごの設置・構造・ドア・操作盤・操縦機などに問題はないか

調査方法としては「目視・触診・聴診・測定・機器の動作確認」などで実施します。

検査の流れと注意点

上記で定められた定期検査を実施し、その結果を特定行政庁に報告します。
万が一報告を怠った場合は、100万円以下の罰金が科せられる場合がありますので注意が必要です。

しかし検査後の報告書類の作成や提出についても、定期検査の専門業者が代行してくれるため依頼することをおすすめします。

性能検査・定期自主検査について

性能検査・定期自主検査報告のイメージ画像

性能検査・定期自主検査報告の対象

性能検査は、積載量が1トン以上のエレベーターが対象です。
これについては、労働安全衛生法施行令で定められています。

検査に必要な資格

「性能検査」と「定期自主検査」を行うことができる者は、以下のように定められています。

性能検査労働基準監督署長、または厚生労働大臣の登録を受けた
「登録性能検査機関」
定期自主検査厚生労働大臣の登録を受けた「登録性能検査機関」
※製造会社を含む

エレベーターの性能検査・定期自主検査を行うことができる「登録性能検査機関」には、以下の企業があります。(2023年7月現在)

  • 公益社団法人ボイラ・クレーン安全協会
  • 一般社団法人日本クレーン協会
  • セイフティエンジニアリング株式会社
  • 株式会社クレーン検査センター
  • シマブンクレーン検査株式会社

法律と罰則

性能検査は、労働安全衛生法により、製造時に許可と検査を受けて「検査証」を受け取ることが定められています。
この検査証には有効期限があり、エレベーターを使用し続けるためには定期的に性能検査を受け更新する必要があります。

また性能検査が義務付けられているエレベーターには、「クレーン等安全規則」によって設置後1ヶ月以内ごとに1回の定期自主検査を実施することも定められています。

つまり、積載量1トン以上のエレベーターには以下の2つの義務があります。

  • 製造時に受け取った「検査証」の有効期限内に性能検査を実施
  • 設置後1ヶ月以内ごとに1回の定期自主検査を実施

これらの検査を行わなかった場合「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が生じる恐れがあります。

検査の頻度

性能検査と定期自主検査の検査頻度は下記の通りです。

性能検査:1年以内ごとに1回(検査証の有効期限内)
定期自主検査:1ヶ月以内ごとに1回

検査内容

性能検査の検査内容には以下の3項目があります。

  • 外観試験:変形や取付状況、接合状況などを確認する
  • 動作試験:異常な動作の有無や安全装置の作動状態を確認する
  • 荷重試験:積載荷重相当の荷を乗せた上で昇降動作を確認する

定期自主検査の検査内容には以下のようなものがあります。

  • ファイナルリミットスイッチ、非常止めその他の安全装置、ブレーキ及び制御装置の異常の有無
  • ワイヤロープの損傷の有無
  • ガイドレールの状態
  • 屋外に設置されているエレベーターの場合、ガイロープを緊結している部分の異常の有無

検査の流れと注意点

検査の流れは登録性能検査機関によって異なりますが、一般的な流れは以下のようになります。

  1. 検査を受けるエレベーター内の清掃と、荷重試験用の荷を準備する
  2. 検査証、定期自主検査の記録(過去3年間分)や関係書類等を用意する
  3. 検査実施前に打ち合わせを行う
  4. 検査申込者と保守業者の立会いのもと検査を実施

性能検査・定期自主検査には定期検査報告のような検査後の報告義務はありません。

保守点検について

保守点検イメージ画像

保守点検の対象

保守点検には法的な義務はありません。
しかし安全性を保つために非常に大切な点検のため全てのエレベーターが対象となります。

点検に必要な資格

保守点検は、法定点検ではないため、資格保有者しか点検できないという規定はありません。
そのため、保守点検に関してはエレベーター点検業者やメンテナンス会社に依頼することが一般的です。

法律と罰則

保守点検は、建築基準法第8条において「努力規定」として定められています。
つまり「義務」ではなく「努力」として求められているため、罰則規定はありません。

エレベータ―を常時適法な状態に維持するために、日常的な保守点検が必要としています。

点検の頻度

保守点検の頻度については、国土交通省が定める「昇降機の適切な維持管理に関する指針」の中に記載があります。
「昇降機の使用頻度等に応じて、定期的に」行うことが望ましいとされており、一般的にはおおむね月に1回程度実施しているケースが多く見受けられます。

点検内容

保守点検の点検内容についても、国土交通省が定める「エレベーター保守・点検業務標準契約書」の中に記載があります。
点検内容には以下のような項目があります。

  • ブレーキ:保持力、動作状態、ブレーキパッドの厚みなど
  • 巻上げ機:油漏れなど
  • 制御盤:電圧測定など
  • バッテリー:変形、液漏れ、発熱など
  • メインロープ:伸びなど
  • かご:加速・減速、操作盤、外部への連絡装置など
  • 乗り場:呼びボタン、非常開錠装置、ドアなど

点検の流れと注意点

保守点検を行うメンテナンス業者には「メーカー系」と「独立系」の2種類があります。
独立系はメーカー系よりコストが安いというメリットがありますがデメリットもあります。

メーカー系は検査実績の数が多く、そのメーカーのエレベーターに特化しているため技術的にも信頼できます。
独立系は、業者によっては歴がまだ浅く、経験や技術・知識などに不安が残る業者も存在します。

エレベーターの点検は人命にも関わるため、コスト面だけを重視せず業者を見分けることが必要です。

比較表

定期検査報告性能検査定期自主検査保守点検
関連法令建築基準法第12条労働安全衛生法クレーン等安全規則建築基準法第8条
罰則100万円以下の罰金6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金なし(努力義務)
点検・検査
資格者
一級建築士
二級建築士
昇降機等検査員
労働基準監督署長
または
登録性能検査機関
登録性能検査機関
※製造会社を含む
なし
※「昇降機に関する豊富な知識及び実務経験に裏打ちされた技術力を有する者」を推奨
管理責任者所有者所有者、管理者事業者所有者
※所有者と管理者が異なる場合は管理者
点検・検査
対象
以下を除く全てのエレベーター
・ホームエレベーター
・性能検査を受けているエレベーター
積載量1トン以上のエレベーターすべてのエレベーター
(努力義務)
点検・検査
頻度
おおむね6ヶ月〜1年毎に1回
※特定行政庁により異なる
1年に1回1ヶ月に1回使用頻度に応じて
※おおむね1ヶ月に1回
報告先特定行政庁報告義務なし報告義務なし

定期検査報告と性能検査の重複について

リフト・エレベーター豆知識Q&A

【Qエレベーターの性能検査と定期検査報告は重複して受ける必要がありますか?
【A基本的に性能検査と定期検査を重複して受検する必要はありません。

労働安全衛生法による性能検査を受検しているものは、建築基準法による定期検査報告の対象外となります。

令第16条により報告対象として指定される建築設備等
労働安全衛生法施行令第1条第9号に規定するエレベーター(労働基準法別表第1第1号から第5号に掲げる工場等に設置されているもののうち一般公衆の用に供されていないもの。)のうち、同令第12条第1項第6号に該当するもの(積載荷重が1トン以上のもの。)を除く。

出典:国住指第3812号

たとえば、会社の事業主体が労働基準法別表第1の1から5に規定する事業へ変更となった場合には、性能検査を受けることになります。

性能検査を受けた後に発行される「エレベーター検査証」の写しを、所轄の特定行政庁または、昇降機等の定期検査報告書を受け付ける地域法人等に提出する必要があります。
詳細に関しては特定行政庁により決めごとが異なるため、お近くの行政庁にご確認お願いいたします。

まとめ

いかがでしょうか。
エレベーターの点検・検査について解説いたしました。

エレベーターは、多くの人が利用する日常生活では欠かせないものとなっています。
そのためエレベーターを安全に使用するために、定期的な点検が義務付けられています。
またこれらの点検や検査に関しては基本的に資格保有者が実施する必要があります。

点検や検査を怠り報告義務を果たさない場合、エレベーターの所有者もしくは管理者には罰則が科される可能性もあるため、必ず実施しましょう。

点検・検査についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

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