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昇降機の豆知識
巻胴式エレベーターとは、”巻胴式巻上機”がワイヤーロープをドラムに巻きつけて、カゴを昇降させるシンプルな仕組みのエレベーターです。
目次
巻胴式エレベーターは、”ロープ式エレベーター”に分類されます。
同じく、ロープ式エレベーターの一種である「トラクション式エレベーター」と構造を比較してみましょう。
大きな違いは、ウエイト(重り)があるかどうかです。
上の構造図を見て分かるとおり、トラクション式エレベーターにはウエイトがあり、巻胴式エレベーターには、ウエイトがありません。
ウエイトの働きは、”カゴ”と”ウエイト”の重量をつり合わせて、巻上機で効率的に駆動させることです。
そのため、ウエイトのない「巻胴式エレベーター」は、同じ条件(積載荷重、速度など)でカゴを昇降させる場合、「トラクション式エレベーター」と比べて、大きな動力が必要になります。
高層ビルにエレベーターを設置するには、ワイヤーロープを長くしなければなりません。
巻胴式エレベーターの場合は、ワイヤーロープが長くなると、巻胴部が長大化してしまう問題があります。
そのため、巻胴式エレベーターは、中高層建築物の設置には不向きです。
しかし、トラクション式エレベーターと比べると、構造が簡単なため、低層建築物に設置されるケースが多いようです。
エレベーターの歴史は、巻胴式から始まった
エレベーターの歴史は古く、紀元前200年ごろ、アルキメデスが考案したと言われています。 エレベーターの歴史上、最初に登場したのが「巻胴式エレベーター」です。
トラクション式エレベーターは、1903年にニューヨークのビルに納入されたのが最初となります。その後、ニューヨークを中心に、高層ビルが増えるに伴い、普及していきました。