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昇降機の豆知識
あなたは荷物の運搬中にヒヤッとした経験はありませんか?
特に階段を大きな荷物を抱えて昇り降りする際、その危険性は非常に高くなります。バランスを崩して転倒してしまうと、大きな怪我につながるリスクがあります。こうした事故は、実際に多く発生しており、厚生労働省でも注意を促しているほどです。
この問題を解決する手段の一つとして、多くの飲食店や学校などで導入が進んでいるのが「ダムウェーター(小荷物専用昇降機)」です。ダムウェーターを使えば、荷物を持って階段を上り下りする必要がなくなり、安全かつ効率的に物品を運搬することができます。
本記事では、ダムウェーターとは何か、その価格や特徴、種類、さらには関連する法令について詳しく解説していきます。
目次
ダムウェーター(正式名称:小荷物専用昇降機)とは、荷物を運搬するための小型エレベーターです。
※荷物専用のため、人は乗れません。
飲食店(ラーメン屋、焼肉屋、中華料理店など)や小中学校に、料理や飲み物を運搬するために、よく設置されています。
倉庫や工場などの現場作業で、足元が見えないくらい大きな荷物を持ちながら、階段を登り降りすると、バランスを崩して転倒する危険があります。事実、階段での事故は多いらしく、厚生労働省でも注意を促しています。
ダムウェーターを活用することで、そんな危険がなくなり、荷物を素早く・効率的に運べます。
以前は「ダムウェーター(dumbwaiter)」という名前が一般的でした。「dumb」は「口のきけない」という意味で、「waiter」は「給仕人」という意味です。つまり、「口のきけない給仕人」という意味になります。
この「dumb」という言葉が、聴覚や言語に障害のある方を差別する言葉として捉えられるようになったため、現在では「小荷物専用昇降機」という名称が使われるようになりました。
現在でも、製造メーカーや現場の作業員の間で「ダムウェーター」という言葉が使われることがありますが、公の場では「小荷物専用昇降機」を使うのが適切です。この記事でも、以降は「小荷物専用昇降機」という名称を基本として使用します。
マンションやビルに設置されているエレベーターと比べると、小荷物専用昇降機(ダムウェーター)は、小さく、用途も限られるため、数十分の一の価格で販売されています。
小荷物専用昇降機(ダムウェーター)の特徴を3つ挙げるとすれば、次のようになります。
1、小型設計
本体外寸:W570mm × D570mmから提供しています。省スペースなので、設置スペースが確保しづらい厨房にも設置できます。エレベーターと比べて、各階の開口も小さく済みます。
2、昇降速度を細かく調整
インバーターを搭載している小荷物専用昇降機の場合、かご(荷台)の昇降速度を細かく調整できます。動くとき、止まるときの衝撃が少ないので、飲み物やスープをこぼさずに、最大分速45mの速度で素早く運ぶことが可能です。
3、錆・熱に強い
かご・扉・昇降路は、錆・熱に強いステンレス製を選択できます。衛生面には特に気を使わなければならない、料理・飲み物の運搬にピッタリです。※昇降路(外装)は低価格のスチール製も選べます。
※上記は、当社が提供している小荷物専用昇降機(ダムウェーター)の特徴です。
当社では、「コンパクトタイプ」「テーブルタイプ」「フロアタイプ」3種類の小荷物専用昇降機(ダムウェーター)をラインナップしています。
コンパクトタイプ
扉が腰高(床から扉まで600~700mm)にあるタイプです。省スペースで、料理・飲物やちょっした書類を運ぶのにピッタリです。
“昇降路工事が不要(外装一体型)”のため、据付工事は一日で完了します。もっとも人気のある商品です。
テーブルタイプ
基本的には、コンパクトタイプと同じですが、高層階の建物向けで”昇降路工事が必要”なタイプです。
フロアタイプ
扉と床が同じ高さにあるタイプです。台車に荷物を載せたまま搬入できます。積載は200~500kgまで対応。倉庫・工場・学校で導入されています。
※出し入れ口の下端が床面より出し入れ口の下端が床面より50センチメートル未満の位置にあるもの
※昇降路工事が必要となります。
小荷物専用昇降機(ダムウェーター)は、建築基準法施行令によって、構造が定められています。
かごの大きさは、「床面積1平方メートル以下」かつ「高さ1.2メートル以下」にしなければなりません。
(適用の範囲)
出典:建築基準法施行令第百二十九条の三
第百二十九条の三 この節の規定は、建築物に設ける次に掲げる昇降機に適用する。
三 物を運搬するための昇降機で、かごの水平投影面積が一平方メートル以下で、かつ、天井の高さが一・二メートル以下のもの(以下「小荷物専用昇降機」という。)
法令で定められている「すべての階の扉を閉じたときだけ、かごが動く構造」「かごが到着したときだけ、扉が開く構造」を遵守するために、”扉感知装置”と”外扉ロック装置”が搭載されています。
(適用の範囲)
令第百二十九条の十三 小荷物専用昇降機は、次に定める構造としなければならない。
出典:建築基準法施行令第百二十九条の十三
三 昇降路のすべての出し入れ口の戸が閉じた後、かごを昇降させるものであること。
四 昇降路の出し入れ口の戸には、かごがその戸の位置に停止していない場合においては、かぎを用いなければ外から開くことができない装置を設けること。ただし、当該出し入れ口の下端が当該出し入れ口が設けられる室の床面より高い場合においては、この限りでない。
小荷物専用昇降機(ダムウェーター)は、荷物専用で人が乗れないため、エレベーターに比べて安全装置の規定が大幅に暖和されています。
小荷物専用昇降機(ダムウェーター)に確認申請が必要かどうかは、特定行政庁によって異なります。
※特定行政庁とは、建築主事を置く地方公共団体の長です。全国に450箇所(平成27年4月1日)あります。(特定行政庁一覧は、こちらをご覧ください。)
建築基準法施行令(第百四十六条)に、確認等が必要な建築設備が記載されています。
(確認等を要する建築設備)
第百四十六条 法第八十七条の二 (法第八十八条第一項 及び第二項 において準用する場合を含む。)の規定により政令で指定する建築設備は、次に掲げるものとする。
出典:建築基準法施行令第百四十六条
一 エレベーター及びエスカレーター
二 小荷物専用昇降機(昇降路の出し入れ口の下端が当該出し入れ口が設けられる室の床面より高いことその他の理由により人が危害を受けるおそれのある事故が発生するおそれの少ないものとして国土交通大臣が定めるものを除く。)
三 法第十二条第三項 の規定により特定行政庁が指定する建築設備(屎尿浄化槽及び合併処理浄化槽を除く。)
※【国土交通省告示第239号】にて、人が危害を受けるおそれのある事故が発生するおそれの少ない小荷物専用昇降機は、「昇降路の全ての出し入れ口の下端が当該出し入れ口が設けられている室の床面よりも50センチメートル以上高いものとする。」と定義されています。
確認申請と同様、特定行政庁によって異なります。
3 昇降機及び第六条第一項第一号に掲げる建築物その他第一項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
出典:建築基準法第十二条
確認申請および定期検査の有無については、該当する特定行政庁にお問合せください。
例えば、大阪府(大阪市、豊中市、堺市、東大阪市などを除く)は、小荷物専用昇降機 (出し入れ口の下端が床面より50センチメートル未満の位置にあるもの)についてのみ「確認申請」と「定期報告」が必要となります。※2015年6月30日時点
詳細は、大阪府ホームページ「昇降機に関する申請」および「定期報告を要する昇降機及び遊戯施設」をご覧ください。
東京都の特定行政庁お問合せ先一覧は「建築基準法の相談窓口/東京都都市整備局」をご覧ください。