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昇降機の豆知識

投稿日 2025/03/19
更新日 2025/03/27

エレベーターの制御盤とは? 寿命、交換時期、メンテナンスについて解説

エレベーターの制御盤とは? 寿命、交換時期、メンテナンスについて解説

エレベーターは私たちの日常生活に欠かせない存在ですが、その中で重要な役割を担っているのが制御盤です。制御盤はエレベーターの「頭脳」とも言える部分で、安全でスムーズな運行を支えています。

しかし、制御盤は経年劣化や故障のリスクがあり、適切なメンテナンスや交換を怠ると、突然の停止重大な事故につながる可能性もあります。特に、古いビルやマンションでは、制御盤の老朽化が進んでいるケースも少なくありません。

この記事では、エレベーターの制御盤について、初心者にもわかりやすく解説します。制御盤の役割から、メンテナンスのポイント、交換やリニューアルのタイミングまで、具体的な事例を交えながらお伝えします。

エレベーターの制御盤とは?

エレベーターの制御盤は、建物内での垂直移動を司る重要な装置です。この装置がエレベーターの動きをどのように制御し、安全な運行をどう支えているのか詳しく見ていきましょう。皆さんが日常で何気なく使うエレベーターの裏側で活躍する「頭脳」の役割について解説します。

制御盤の役割:エレベーターの頭脳

エレベーターの制御盤は、運行全体をコントロールする装置であり、いわばエレベーターの頭脳に相当します。エレベーターが適切に動作し、乗客が安全に目的の階へ移動できるよう、さまざまな制御を行っています。

具体的には、次のような役割を果たします。

  • エレベーターのかごの昇降、速度、停止位置の制御
  • ドアの開閉、開閉速度の制御
  • 各階の呼び出しボタン、かご内の操作ボタンの信号処理
  • 各種センサーからの信号監視、異常発生時の緊急停止
  • 地震時、停電時などの安全装置の作動制御

例えば、ビルの上層階に向かう途中で別の乗客が乗り込む場合、制御盤は最適な順序で停止するよう計算し、効率的に移動できるよう調整します。これにより、乗客の利便性が向上し、エレベーターの負荷も分散されるのです。

また、制御盤はさまざまなセンサーと連携し、ドアの開閉タイミングや過負荷の判断、さらには地震発生時の緊急停止まで細かく管理します。制御盤が正しく機能しなければ、エレベーターは正常に運行できません。そのため、定期的な点検や適切なメンテナンスが不可欠です。

制御盤の重要性:安全運行の要

制御盤が正常に機能することは、エレベーターの安全運行に直結します。万が一、制御盤に異常が発生すると、エレベーターが誤作動を起こしたり、突然停止したりするリスクがあります。

もし、制御盤が故障すると、以下のような重大な事故につながる可能性があります。

  • かごの急停止、急発進
  • ドアの開閉不良、挟み込み事故
  • 停止位置のずれ、転落事故
  • 地震時、停電時の安全装置の不作動

これらの事故は、利用者の命に関わる重大なものです。そのため、制御盤は、定期的なメンテナンスや適切な交換によって、常に正常な状態を維持する必要があります。

例えば、大きな地震が発生した際には、制御盤が揺れを検知し、最寄りの階で停止する仕組みがあります。これにより、利用者がエレベーター内に閉じ込められるリスクを最小限に抑えることができます。

さらに、近年ではIoT技術の進化により、制御盤の遠隔監視が可能になりつつあります。これにより、異常を事前に検知し、故障を未然に防ぐことができます。

制御盤のメンテナンスについて

エレベーターの制御盤を安全に運用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。制御盤の不具合は、運行トラブルや事故の原因になるため、適切な点検と管理が求められます。この章では、メンテナンスのタイミングや重要なチェックポイントについて詳しく解説します。

メンテナンスのタイミング

エレベーターの制御盤は、長期間にわたって使用されるため、計画的なメンテナンスが必要です。特に、法定点検や定期点検は法律で義務付けられており、エレベーターの安全を確保するために不可欠な作業です。また、異常が発生した際には、臨時点検を行い、迅速な対応が求められます。

法定点検と定期点検

法定点検は、建築基準法に基づいて、年に1回実施することが義務付けられています。専門の技術者が、制御盤の動作確認、部品の摩耗状況、安全装置の作動などを詳細に点検します。

定期点検は、法定点検に加えて、月に1回程度の頻度で実施される点検です。日常点検とも呼ばれ、専門の技術者または建物の管理者が、制御盤の異常音、異臭、動作不良などを確認します。ることが大切です。

臨時点検:異常発生時の対応

エレベーターに異常が発生した場合は、迅速に臨時点検を実施することが必要です。例えば、次のような異常が見られた場合は、ただちに点検を行いましょう。

  • エレベーターが急停止した
  • ドアが開かない・閉まらない
  • 異常音や振動が発生している
  • 運行速度が不安定になる

こうした症状が現れた場合、制御盤の内部で電子部品の故障配線トラブルが発生している可能性があります。特に、リレーやコンデンサの劣化が原因となることが多いため、早急な点検・交換が必要です。

臨時点検の際には、専門の保守業者に連絡し、迅速に対応してもらうことが重要です。早めの点検を実施することで、大きな故障を防ぎ、エレベーターの長寿命化にもつながります。

メンテナンスの重要ポイント

制御盤のメンテナンスでは、単に故障の有無を確認するだけでなく、部品の劣化状況や運行データを細かくチェックすることが大切です。特に、部品交換のタイミングを適切に見極めることが、エレベーターの安全性と耐久性を維持するカギとなります。

部品交換の目安と注意点

制御盤内部には、数多くの電子部品が使用されています。それぞれの部品には寿命があり、適切なタイミングで交換することが必要です。主な部品の交換目安は以下の通りです。

部品名交換の目安役割
リレー約10年電気回路の切り替え
コンデンサ約7~10年電流を安定化させる
配線・コネクタ約15年電気信号の伝達
基板約15~20年制御信号の処理

部品の劣化が進むと、誤作動や突然の停止が発生する可能性があります。そのため、定期点検時に部品の状態をチェックし、早めの交換を心がけることが重要です。

また、交換する際は、純正部品を使用することを推奨します。互換品を使用すると、制御盤との相性が悪く、正常に機能しない場合があるため注意が必要です。

メンテナンスを怠るリスク

制御盤のメンテナンスを怠ると、エレベーターの安全性が大きく低下します。以下のようなトラブルが発生する可能性があるため、定期的なメンテナンスを徹底しましょう。

  • エレベーターの故障、停止
  • 利用者の閉じ込め事故
  • 重大な事故の発生

例えば、制御盤の基板が劣化すると、エレベーターの動作に異常が発生し、突然停止することがあります。また、リレーの接触不良によって、ドアが正常に開閉しないことも考えられます。

定期的なメンテナンスを実施することで、エレベーターの寿命を延ばし、安全な運行を維持することができます。 エレベーターを長期間安定して使用するためにも、適切な管理を心がけましょう。

制御盤の交換・リニューアル

エレベーターの制御盤は、耐用年数部品供給の状況によって、交換やリニューアルが必要になる場合があります。ここでは、交換のタイミング、費用、リニューアルによる安全性・快適性の向上について解説します。

交換のタイミング

エレベーターの制御盤は、一定の年数が経過すると交換が推奨されます。耐用年数を超えると、部品の劣化や供給終了による修理困難な状況が発生しやすくなるためです。ここでは、交換時期の目安や、早めに対策を取るべきポイントについて解説します。

耐用年数:交換時期の目安

エレベーターの制御盤の一般的な耐用年数は15~20年とされています。これは、制御盤に使用されている電子部品や基盤の寿命に関係しています。以下の表は、主な部品の寿命と交換推奨時期をまとめたものです。

部品名耐用年数交換推奨時期
制御基板15~20年15年を超えたら交換を検討
リレー・コンタクタ10~15年10年を超えたら点検強化
配線・コネクタ15~20年20年を超えると断線リスク増
モーター制御部20年20年を超えたら交換必須

15年を超えたら点検を強化し、20年を超えたら交換を検討するのが一般的です。耐用年数を超えた制御盤を使い続けると、突然の故障やエレベーターの運行停止につながる可能性が高いため、計画的な交換をおすすめします。

部品供給終了:早めの対策

制御盤を交換するタイミングの重要な判断基準の一つが部品供給の終了です。メーカーによっては、エレベーターの設置から20年ほどで部品の製造を終了するケースがあります。部品が供給されなくなると、故障時の修理が困難になり、エレベーターが長期間停止するリスクが高まります。

部品供給終了の兆候として、以下のような点に注意が必要です。

  • メーカーから代替品がないと案内される
  • 修理対応の際に中古部品の使用を提案される
  • 交換部品の入手に時間がかかるようになる

こうした状況が発生した場合は、制御盤の早めの交換を検討しましょう。部品が完全に供給終了する前に交換することで、突発的な運行停止のリスクを回避できます。

経年劣化:リニューアルの検討

制御盤は、たとえ部品が供給されていても、経年劣化によって性能が低下します。特に、以下のような症状が見られる場合は、リニューアルのタイミングです。

  • エレベーターの動作が遅くなる
  • 運行中に異音や振動が発生する
  • 頻繁に小さなトラブルが発生する

これらの症状が見られる場合、制御盤内部の基板や回路が劣化している可能性が高く、リニューアルを検討するべきです。最新の制御盤に交換することで、エレベーターの運行がスムーズになり、省エネや安全性の向上も期待できます。

交換にかかる費用

制御盤の交換にはまとまった費用がかかるため、事前に相場や補助金の活用方法を把握しておくことが重要です。ここでは、交換にかかる費用の相場と、活用できる補助金・助成金について解説します。

費用の相場

制御盤の交換費用は、エレベーターの種類や規模によって異なりますが、一般的に約400万円から700万円程度が相場とされています。

交換費用には、部品代、工事費、調整費が含まれます。特に、制御盤だけでなくモーターや配線も交換が必要な場合、費用はさらに高額になります。

補助金・助成金の活用

エレベーターの制御盤交換には、国や自治体の補助金を活用できる場合があります。これらの制度を活用することで、費用負担を軽減することができます。補助金・助成金制度の詳細は、国土交通省や地方自治体のホームページで確認することができます。

リニューアルによる安全性・快適性の向上

最新の制御盤に交換することで、エレベーターの安全性や快適性が大幅に向上します。特に、停電時の対策や地震時の安全機能が強化されるため、より安心して利用できるようになります。

最新制御盤のメリット

最新の制御盤には、以下のようなメリットがあります。

  • 省エネ性能が向上し、電気代を削減
  • スムーズな加速・減速で快適な乗り心地
  • AI制御により、待ち時間の短縮

特に、AIを活用した運行最適化が進んでおり、利用者の動きに合わせた効率的な運行が可能になります。

停電対策、地震対策

最新の制御盤では、停電や地震に対応するための機能が強化されています。

  • 停電時自動着床装置
    通常、停電が発生するとエレベーターは停止し、扉が開かなくなるため、利用者が中に閉じ込められてしまいます。しかし、停電時自動着床装置が搭載されているエレベーターは、停電を感知すると自動的にバッテリー電源に切り替わり、最寄りの階まで移動して扉を開放します。これにより、利用者は安全にエレベーターから降りることができます。ただし、広範囲にわたる停電が発生した場合、復旧作業に時間を要する可能性がある点にご注意ください。

  • 地震時管制運転装置
    この装置は、一定レベル以上の揺れ(おおよそ震度4相当)を感知すると、エレベーターを自動的に最寄り階へ停止させ、扉を開放します。これにより、利用者は閉じ込められることなく、安全に避難することができます。また、地震による停電が発生した場合でも、内蔵されたバッテリー電源に切り替わり、同様に最寄り階への移動と扉の開放を行います。この装置は、2009年9月の建築基準法改正以降、新設されるエレベーターへの設置が義務付けられています。

これらの機能により、万が一の際にも安全に避難できるようになります。

まとめ:エレベーター制御盤の適切な管理で安全・安心を

この記事では、エレベーターの制御盤について、役割、メンテナンス、交換・リニューアルなど、知っておきたい情報を網羅的に解説しました。制御盤は、エレベーターの安全で快適な運行を支える重要な装置であり、適切な管理が不可欠です。

日々の点検や定期的なメンテナンスを怠らず、制御盤の状態を常に把握しておくことが重要です。また、耐用年数や部品供給の状況に応じて、適切なタイミングで交換やリニューアルを検討しましょう。

最新の制御盤にリニューアルすることで、安全性や快適性が向上するだけでなく、省エネルギー性や利便性も高まります。ぜひ、この機会に、ご自身の建物のエレベーターの制御盤について見直し、安全で快適なエレベーター環境を実現してください。

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