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昇降機の豆知識

投稿日 2016/05/27
更新日 2023/10/09

建築基準法の改正(平成28年6月施行)に伴う昇降機・エレベーター関連法令の変更点

小荷物専用昇降機のコンパクトタイプ

建築基準法の一部を改正する法律が平成28年1月15日に公布され、平成28年6月1日に施行されます。

この法改正では、

  • 定期報告を要する建築物等の指定
  • 伝統的工法の利用促進のための規制の合理化
  • 防火・避難に関する規制の合理化
  • その他の規制の合理化

が対象となっており、昇降機(エレベーター・小荷物専用昇降機)関連法令の変更も含まれます。

小荷物専用昇降機の確認申請

現行、小荷物専用昇降機(ダムウェーター)の確認申請が必要かどうかは、特定行政庁が判断することになっており、確認申請の有無は、東京都、大阪府、福岡県など、設置場所によって異なります。

今回の建築基準法改正で小荷物専用昇降機「フロアタイプ(扉と床が同じ高さにあるタイプ)」の確認申請が政令で指定されました。

今後は、小荷物専用昇降機のフロアタイプに関して、設置場所を問わず、確認申請が必要になります。

フロアタイプ

現行
(確認等を要する建築設備)
第百四十六条  法第八十七条の二 (法第八十八条第一項 及び第二項 において準用する場合を含む。)の規定により政令で指定する建築設備は、次に掲げるものとする。
一  エレベーター及びエスカレーター
二  法第十二条第三項 の規定により特定行政庁が指定する建築設備(屎尿浄化槽及び合併処理浄化槽を除く。)
出典:建築基準法施行令
改正後
(確認等を要する建築設備)
第百四十六条  法第八十七条の二 (法第八十八条第一項 及び第二項 において準用する場合を含む。)の規定により政令で指定する建築設備は、次に掲げるものとする。
一  エレベーター及びエスカレーター
二    小荷物専用昇降機(昇降路の出し入れ口の下端が当該出し入れ口が設けられる室の床面より高いことその他の理由により人が危害を受けるおそれのある事故が発生するおそれの少ないものとして国土交通大臣が定めるものを除く。)
三  法第十二条第三項 の規定により特定行政庁が指定する建築設備(屎尿浄化槽及び合併処理浄化槽を除く。)
出典:建築基準法施行令

改正後、小荷物専用昇降機が”確認等を要する建築設備”に指定されました。

ただし、「昇降路の出し入れ口の下端が当該出し入れ口が設けられる室の床面より高いことその他の理由により人が危害を受けるおそれのある事故が発生するおそれの少ないものとして国土交通大臣が定めるものは除く」とされています。

国土交通省が定めるものは、国土交通省告示第239号で「昇降路の全ての出し入れ口の下端が当該出し入れ口が設けられる室の床面よりも50センチメートル以上高いもの」と定められています。

つまり、小荷物専用昇降機のテーブルタイプ(扉が床面から50cm以上にあるタイプ)に関しては、改正後も引き続き、特定行政庁が確認申請の有無を判断します。

まとめると

  • 小荷物専用昇降機(フロアタイプ)は、どの地域でも確認申請が必要になる。
  • 小荷物専用昇降機(テーブル)は、地域ごとに確認申請の有無が異なる。

小荷物専用昇降機の定期検査

建築基準法の改正で”定期検査報告制度”に関しても一部変更となります。

具体的には、確認申請と同様、小荷物専用昇降機「フロアタイプ」の定期検査が政令で指定されました。

今後は、小荷物専用昇降機のフロアタイプに関して、設置場所を問わず、定期検査が必要になります。

現行改正後
エレベーター※1
エスカレーター
エレベーター※1
エスカレーター
小荷物専用昇降機「フロアタイプ」

※いずれも”一戸建ての住宅”または”共同住宅の住戸のホームエレベーター”を除く

※1 工場等に設置されている専用エレベーター(労働安全衛生法施行令第12条第1項第6号に規定する積載荷重が1トン以上のエレベーター)は除く

ただし、小荷物専用昇降機のテーブルタイプに関しては、改正後も引き続き、特定行政庁が定期検査の有無を判断します。

資格者制度の見直し

建築基準法の改正に伴い、定期検査の資格者制度が次のように変わります。

現行改正後
一級建築士・二級建築士一級建築士・二級建築士
(変更なし)
昇降機検査資格者
(建築基準適合判定資格者)
昇降機等検査員
新講習の受講は必要なし
昇降機検査資格者
(登録昇降機検査資格者講習(現講習)の修了者)
昇降機等検査員
新講習の受講は必要なし
無資格者昇降機等検査員
新講習の受講が必要

現在、「昇降機検査資格者」の資格を持っている方が平成28年6月以降も引き続き資格を維持するためには、国土交通省に申請を行い、新たに「昇降機等検査員」の資格を取得する必要があります。(新講習の受講は必要ありません。)

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