アイニチ株式会社 リフト・エレベーター総合サイト

全国対応。お近くの営業所までお問い合わせください。

phone

お電話でのお問い合わせ

8:30~17:30(土・日・祝を除く)

全国対応。お近くの営業所までお問い合わせください。

営業時間 / 8:30~17:30

休業日 / 土日祝

大阪(本社)

06-6981-1661

大阪(本社)

仙台

千葉

埼玉

東京

神奈川

名古屋

岡山

福岡

昇降機の豆知識

投稿日 2023/09/14
更新日 2023/10/13

非常用エレベーターの設置基準について

エレベータ―

一般用エレベーターとは別に、「非常用エレベーター」というものが存在します。

この非常用エレベーターは、消火活動や救助活動をするためのエレベーターで、高さ31mを超える建築物には設置が義務付けられています。
これには理由があり、高さ31mを超える高層部分においては災害時に避難、救出、消火活動が難しくなるためとされています。

本記事では、非常用エレベーターの設置基準や緩和規定などについて解説します。

非常用エレベーターとは

非常用エレベーターと一般用エレベーターの違い

一般用エレベーター人を乗せて輸送することができるエレベーター。
商業施設、マンション、ビルなどに設置されている人の移動を目的としています。
非常用エレベーター万が一の災害時に消防隊が消火作業や救出活動に使用するためのエレベーター。
昇降路は耐火構造の壁に囲まれ、非常用電源も設けられています。
カゴ扉が完全に閉まっていなくても運転が可能な機能も搭載されています。

設置目的

非常用エレベーターは、万が一の災害時において消防隊が消火作業や救出活動を行うことを目的として設置されています。

火災や地震などの非常時でもエレベーター内の専用パネルで操作可能で、ドアを開いたままでも動かすことが可能です。
また予備電源があり停電時でも動くように設計されています。

非常用エレベーターが必要な建物

非常用エレベーターが
必要な建物
・高さ31mを超える建築物

非常用エレベーターが必要な建物については、建築基準法第34条第2項において規定されています。

高さ31mをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。

出典:建築基準法 第34条第2項

また非常用エレベーターの設置基準については、建築基準法施行令第129条の13の3「非常用の昇降機の設置及び構造」において規定されています。
こちらの基準に関しては後述いたします。

非常用エレベーターが不要な建物

非常用エレベーターが
不要な建物
・高さ31m未満の建築物
・高さ31mを超えるかつ緩和規定により免除された建築物

また非常用エレベーターが不要な建物については、建築基準法施行令第129条の13の2「非常用の昇降機の設置を要しない建築物」において規定されています。
こちらの基準に関しては後述いたします。

非常用エレベーターの設置基準

前述の通り基本的には高さ31m以上の建物すべてに非常用エレベーターの設置が必要になります。
項目ごとの基準の詳細は以下になります。

設置台数

  • 高さ31m以上の階の床面積が1500㎡以下の場合は、1基設置する
  • 高さ31m以上の階の床面積が1500㎡以上の場合は、3000㎡ごとに1基ずつ増やす

表にまとめると以下のとおりです。

高さ31m以上の階の床面積設置台数
1500㎡1
1500㎡以上~4500㎡以下2
4500㎡以上~7500㎡以下3
7500㎡以上~10500㎡以下4

設置位置

  • 非常用エレベーターから屋外への避難口までの歩行距離が30m以内に設置する
  • 2台以上設置する場合は、避難上および消化上有効な間隔を保って配置する

乗降ロビー

  • 各階において屋内と連絡している
  • バルコニー、外気に向かって開くことができる窓、排煙設備を設ける
  • 出入口には特定防火設備を設ける
  • 窓、排煙設備、出入口を除き、耐火構造の床および壁で囲むこと
  • 天井、壁の室内に面する部分、下地、仕上げは不燃材料を使用する
  • 予備電源をもった照明設備を設ける
  • 1台あたり床面積は10㎡以上にする
  • 屋内消火栓、連結送水管の放水口、非常用コンセント設備等の消火設備を設ける
  • 非常用エレベーターの用途、積載量、最大定員の表示、避難経路、注意事項の標識を取付け、非常運転灯を設ける

構造

  • 昇降路は、2台以内ごとに耐火構造の床および壁で囲う
  • エレベーター機械室は、一般用と非常用の間を耐火構造の壁で区切る
  • カゴの定格速度は、60m/min以上必要
  • 予備電源を設ける
  • カゴを呼び戻す装置を設ける
  • カゴを呼び戻す装置は、避難階とその直上下階、乗降ロビー、中央管理室において作動させることができるようにする
  • カゴ内と中央管理室とを連絡する電話装置を設ける
  • カゴの戸を開いたままカゴを昇降させることができる装置を設ける

非常用エレベーターの設置に関する緩和規定

建物の高さが31m以上でも、建築基準法施行令第129条の13の2「非常用の昇降機の設置を要しない建築物」に規定されているいずれかに該当する場合は非常用エレベーターを設置は不要となります。

  • 高さ31m以上の部分が、階段室、機械室、装飾塔、物見塔、屋窓など人がいない用途の場合
  • 高さ31m以上の部分の各階の床面積が500㎡以下の場合
  • 高さ31m以上の部分の階数が4階以下で、床面積100㎡以内ごとに耐火構造の床や壁、特定防火設備で区画されているもの
  • 高さ31m以上の部分が、機械製作工場、不燃性物を保管する倉庫、主要構造部が不燃材料で造られているなど、火災発生のおそれが少ない場合

まとめ

いかがだったでしょうか。

非常用エレベーターの設置基準や、例外となる緩和規定について解説いたしました。

大きくまとめると以下です。

  • 非常用エレベーターは高さ31m以上の建物に必要
  • 高さ31m以上でも、非常用エレベーターの設置が不要な場合がある
  • 床面積が大きくなるほど、非常用エレベーターの設置台数を増やす必要がある
  • 非常用エレベーターには乗降ロビーが必要

非常用エレベーターを設置するためには、設置費用のコスト面や相応の床面積の確保などを考慮しなければならないため、設置が免除されるかどうかの検討は重要になってくるでしょう。

しかし非常用エレベーターは、災害時に使用するエレベーターであり人命にかかわる大切な設備であることを忘れてはいけません。

関連記事

当サイトの運営会社

昭和29年創業以来、アイニチ株式会社は、産業機械を扱っており、主に工場・倉庫・住宅用昇降設備をメインとしています。

簡易リフト、荷物用エレベーター、小荷物専用昇降機(ダムウェーター)、いす式階段昇降機、ホームエレベーター等の新設・リニューアル・メンテナンスをご検討中の方はお気軽にご相談ください。

昇降機の専門スタッフがお客様をサポート致します。

お電話でのお問い合わせ

全国対応。お近くの営業所までお問い合わせください。

営業時間 / 8:30~17:30

休業日 / 土日祝

大阪(本社)

仙台

千葉

埼玉

東京

神奈川

名古屋

岡山

福岡