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昇降機の豆知識

投稿日 2025/10/16
更新日 2025/10/31

マルチビームドアセンサーとは?旧式との違いと交換費用を解説

マルチビームドアセンサーとは?旧式との違いと交換費用を解説

「メンテナンス業者から『マルチビームドアセンサー』への交換を提案されたけど、本当に必要なの?」
「住民から『エレベーターのドアに挟まれそうになった』と聞いて、ヒヤリとした…」

マンションの管理組合理事やビルのオーナーとして、施設の安全管理に責任を持つあなたなら、このような課題に直面したことがあるかもしれません。

今のドアセンサー(セーフティシュー)でも動いているし、わざわざ追加の費用をかけてまで交換する必要があるのだろうか?
安全は大事だけれど、コストも無視できない。業者任せにせず、客観的な情報をもとに、自分で納得して判断したい。

そのお気持ち、非常によく分かります。

この記事では、マルチビームドアセンサーについて、専門知識がない方でもその価値を完全に理解できるよう、専門家が徹底的に解説します。

マルチビームドアセンサーと旧式の決定的な違い

まず、結論からお伝えします。マルチビームドアセンサーと、旧式のセンサー(セーフティシューなど)では、利用者の安全を守る性能に圧倒的な差があります。

ここでは、その性能差が一目でわかる比較表と、なぜ今、交換が推奨されているのかについて解説します。

【性能比較表】検知範囲と安全性の圧倒的な差

両者の違いは、「接触」が必要かどうか、そして「検知できる範囲」にあります。

比較項目マルチビームドアセンサー旧式センサー
(セーフティシュー)
検知方式非接触式
(赤外線の光で検知)
接触式
(物理的に物が当たって検知)
検知範囲ドアのほぼ全面
(面で検知)
ドアの端のみ
(線で検知)
安全性◎ 非常に高い△ 限定的(死角が多い)
駆け込み検知可能不可
細い物の検知可能
(ペットのリードなど)
不可

このように、マルチビームドアセンサーは、ドアが閉まる前に人や物を検知できるため、事故を未然に防ぐことが可能です。
一方、旧式は接触しないと反応しないため、どうしても「挟まれてから開く」というワンテンポ遅れた動きになります。

あなたのエレベーターは大丈夫?旧式センサー3つの危険性

「今ついている安全装置でも、大きな事故は起きていないから大丈夫」と思っていませんか?
しかし、旧式のセンサー(セーフティシュー)には、構造上どうしても避けられない3つの危険性が潜んでいます。

死角で起こる子供やペットの駆け込み事故

セーフティシューが検知できるのは、ドアの端にある部分だけです。
そのため、閉まりかけたドアに慌てて駆け込もうとした際、センサーのない部分に体が入ってしまうと、検知されずに挟まれてしまう危険があります。

特に、背の低い小さなお子様や、ペットが走り抜けるような場面では、重大な事故につながりかねません。

台車や荷物のひもが引き起こす物損事故

マンションの引っ越しや荷物の搬入時も注意が必要です。例えば、台車に積んだ荷物から垂れ下がった梱包用のひもや、利用者が持つ買い物袋などが、細すぎてセンサーに検知されずにドアに挟まれてしまうことがあります。

荷物が破損するだけでなく、エレベーターのドアが故障する原因にもなります。

接触しないと作動しないことによるヒヤリハット

最も根本的な問題は、セーフティシューが「接触しないと作動しない」という点です。

たとえゆっくりと閉まるドアであっても、体に「ドン」と当たってから開くという動作は、特に高齢者や車いすを利用する方々に恐怖心や不安感を与えます。

このような日々のヒヤリハットの積み重ねが、エレベーター利用へのストレスに繋がってしまうのです。

マルチビームドアセンサーは「光のカーテン」で危険を未然に防ぐ

これらの旧式センサーが抱える危険性を、根本から解決するのがマルチビームドアセンサーです。
その圧倒的な安全性の秘密は、「光のカーテン」と呼ばれる、隙間のない検知の仕組みにあります。

赤外線ビームによる隙間のない検知の仕組み

マルチビームドアセンサーは、エレベーターのドアの両端に設置されています。
片方からは数十本もの赤外線ビームが発射され、もう片方がそれを受け取ります。

これにより、ドアの端から端まで、床付近の低い位置から大人の胸の高さまで、まるで見えない光のカーテンが張り巡らされた状態になります。
この光のカーテンのいずれか一本でも遮られると、センサーは瞬時に人や物の存在を検知し、ドアが開く、あるいは閉まるのを停止させます。

非接触だから実現できる高度な安全性

マルチビームドアセンサーの最大の強みは、「非接触」であることです。

物が接触する前に検知できるため、駆け込もうとする子供や、細いペットのリード、荷物のひもなども、ドアに触れる前にしっかりと捉えることができます。

これにより、旧式センサーでは防ぎきれなかった挟まれ事故のリスクを、根本から解消することができるのです。

後付け改修工事の費用・工期・具体的な流れ

「性能の高さは分かったけど、導入するには具体的にどうすればいいの?」
ここからは、管理者様が最も気になる、後付け改修工事の費用や工期、そして導入までの具体的なステップについて解説します。

後付け・交換にかかる費用の目安

マルチビームドアセンサーへの後付け・交換工事にかかる費用は、エレベーターの機種や現場の状況によって異なりますが、一般的には1台あたり約30万円~50万円程度が目安となります。

これは、エレベーター全体のリニューアルに比べれば、比較的少額の投資で、施設の安全性を飛躍的に向上させられる、非常に費用対効果の高い改修と言えます。

工事時間とエレベーターの停止期間

多くの方が心配されるのが、工事中のエレベーターの停止期間です。
マルチビームドアセンサーの設置工事は、通常、半日~1日程度で完了します。

そのため、エレベーターを長時間停止させる必要はなく、施設の運営や住民の生活への影響を最小限に抑えることが可能です。

問い合わせから工事完了までの4ステップ

実際に導入を検討する場合、一般的に以下の流れで進みます。

  1. ステップ1:専門業者への問い合わせ・現地調査
    まずは専門業者に連絡し、現地調査を依頼します。プロの目で、現在のエレベーターに最適なセンサーの選定と、設置の可否を確認してもらいます。

  2. ステップ2:提案・見積もりの確認
    調査結果に基づき、具体的なプランと見積もりが提示されます。内容をよく確認し、不明な点は納得できるまで質問しましょう。

  3. ステップ3:ご契約・工事日程の調整
    見積内容に納得いただけたら契約を結び、施設の都合に合わせて工事の日程を調整します。

  4. ステップ4:設置工事・お引き渡し
    専門の技術者が安全かつ迅速に設置工事を行い、作動確認を経てお引き渡しとなります。

失敗しない設置業者の選び方3つのポイント

マルチビームドアセンサーは、ただ設置すれば良いというものではありません。
その性能を100%発揮させるためには、確かな技術力を持つ業者による、正確な設置と微調整が不可欠です。後悔しないために、以下の3つのポイントで業者を選びましょう。

ポイント1 メーカーを問わず対応できる専門性と実績

エレベーターには様々なメーカーの機種があります。
特定のメーカーにしか対応できない業者ではなく、あらゆるメーカーの機種に対応できる「独立系」の専門業者であれば、あなたの施設のエレベーターに最も適した製品を、中立的な立場で提案してくれます。

ポイント2 現地調査に基づく明確な見積もりの提示

「一式〇〇円」といった大雑把な見積もりではなく、必ず現地調査を行った上で、どの製品にいくらかかるのか、工事費はいくらか、といった内訳が明確に記載された見積もりを提示してくれる業者を選びましょう。

誠実な業者は、なぜそのプランが必要なのかを、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれます。

ポイント3 施工後の保証とアフターフォロー体制

設置したセンサーに、どのくらいの期間の製品保証が付いているかを確認しましょう。
また、万が一の不具合が発生した際に、迅速に対応してくれるアフターフォロー体制が整っているかも重要なポイントです。

設置後のメンテナンスも安心して任せられるか、長期的な視点でパートナーを選びましょう。

マルチビームドアセンサーに関するよくある質問

最後に、マルチビームドアセンサーに関して、皆様からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. どんなエレベーターにも後付けできるか

A. はい、現在稼働しているほとんどのエレベーターに後付け設置が可能です。

メーカーや年式を問わず対応できる製品が多数あります。
ただし、ごく一部の特殊な機種や、設置スペースの問題で取り付けが困難な場合も稀にありますので、まずは専門業者による現地調査で確認してもらうのが確実です。

Q. 法定点検で交換を指摘されることはあるか

A. 法律上、マルチビームドアセンサーの設置が現時点で義務化されているわけではありません。

そのため、法定点検で「交換しなさい」と是正を求められることは基本的にありません。
しかし、安全性の観点から、保守会社が「より安全性を高めるための改善提案」として、交換を推奨することはよくあります。

それは、管理者として居住者の安全を確保する上で、非常に重要な情報と言えるでしょう。

まとめ

この記事では、マルチビームドアセンサーについて、その仕組みから旧式との決定的な違い、そして導入のメリットや具体的な費用・流れまで、詳しく解説してきました。

旧式のセーフティシューが抱える「死角」や「接触しないと作動しない」といった構造的なリスクは、日々のメンテナンスだけでは解消できません。
それを根本から解決し、子供から高齢者、車いすを利用する方まで、全ての利用者の安全を飛躍的に向上させるのが、マルチビームドアセンサーです。

エレベーターのドアの安全対策は、後回しにして良い問題ではありません。
それは、利用者の安心な暮らしと、建物全体の資産価値を守るための、非常に重要な「投資」です。

「うちのマンションのエレベーターにも設置できるか、一度見てほしい」
「具体的な費用を知りたい」

そんなご要望をお持ちでしたら、ぜひ私たちアイニチ株式会社にご相談ください。
特定のメーカーに縛られない独立系の専門家として、あなたの施設に最適な安全対策を、誠心誠意ご提案させていただきます。

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