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昇降機の豆知識
エレベーターは人の移動手段としてあらゆる場所に設置、利用されています。
しかし過去にはエレベーターによる死亡事故など、重大な事故が発生している例があります。
このような事故に学び、現在エレベーターには利用者の命を守る安全装置が備え付けられています。
エレベーターの安全装置には以下のようなものがあります。
しかしながら普段エレベーターを利用するときに事故の危険性を意識している方は少ないと思います。
今回の記事では、いざ緊急事態が発生した場合に、自身の安全を守る為にも落ち着いて対応ができるようにエレベーターがどのような動きをするのか、その際にどのような対処をすべきなのかを解説いたします。
目次
エレベーターの安全装置とは、故障や事故などを未然に防ぎ、緊急時や地震発生時でも利用者の安全を守るための装置です。
過去のエレベーター事故例として、地震によりエレベーターの中に人が閉じ込められる事故などが発生しています。
このような地震や故障等に起因するエレベーター事故を鑑み、エレベーターの安全性の向上が求められています。
そのため、平成21年9月28日(月)に建築基準法施行令が改正され、現在ではエレベーターの安全装置の設置が義務付けられています。
エレベーターの安全装置の種類については、建築基準法施行令第129条の10号にて定義されています。
エレベーターには、前項に定める制動装置のほか、次に掲げる安全装置を設けなければならない。
1.次に掲げる場合に自動的にかごを制止する装置
イ 駆動装置又は制御器に故障が生じ、かごの停止位置が著しく移動した場合
ロ 駆動装置又は制御器に故障が生じ、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合2.地震その他の衝撃により生じた国土交通大臣が定める加速度を検知し、自動的に、かごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、当該かごの出入口の戸及び昇降路の出入口の戸を開き、又はかご内の人がこれらの戸を開くことができることとする装置
3.停電等の非常の場合においてかご内からかご外に連絡することができる装置
4.乗用エレベーター又は寝台用エレベーターにあつては、次に掲げる安全装置
出典:建築基準法施行令第129条の10第3項
イ 積載荷重に1.1を乗じて得た数値を超えた荷重が作用した場合において警報を発し、かつ、出入口の戸の閉鎖を自動的に制止する装置
ロ 停電の場合においても、床面で1ルクス以上の照度を確保することができる照明装置
戸開走行保護装置とは、駆動装置や制御器に故障が生じ、かごの停止位置が著しくずれた場合や、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合に、自動的にかごを制止させて、人が挟まれることを防止する安全装置です。
※建築基準法施行令第129条の10第3項第1号
この装置により、エレベーターの乗降場所でないところで扉が開いたり、扉が開いた状態でエレベーターが作動してしまう危険性が減少します。
地震時管制運転装置とは、地震その他の衝撃により生じた加速度を検知し、自動的にかごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、当該かごの出入口の戸及び昇降路の出入口の戸を開くことができるようにする安全装置です。
※建築基準法施行令第129条の10第3項第2号
つまり地震が発生した際の初期微動(P波)を感知し、本震(S波)が到達する前に、最寄り階に停止させて乗客を避難させることができます。
この地震時管制運転装置は、震災時のエレベーター閉じ込めを未然に防ぐ、重要な安全装置といえます。
安全マーク表示制度とは、エレベーターに戸開走行保護装置や地震時管制運転装置が設置されていることを利用者がすぐに分かるように示す安全マークを表示する制度のことです。※任意
一般社団法人建築性能基準推進協会では「エレベーター安全装置設置済マーク」の対象となるのは、以下の2種類の安全装置と定めています。
任意制度であるため義務ではありません。
安全マークを表示したい場合は、エレベーターメーカーや保守点検業者に依頼しましょう。
マーク表示の依頼を行い、承諾書の発行をすることで安全マークを表示することが可能になります。
エレベーター事故は、事前に安全対策をすることによって防ぐことが可能となっています。
ここでは特に重要となる安全対策を紹介していきます。
エレベーターの管理者にとっては義務となるものも含まれているため、理解を深めておきましょう。
戸開走行保護装置を設置することで、扉が開いたままエレベーターが作動してしまうトラブルを防止することができます。
戸開走行保護装置は、以下3つの要素を備えていることが必要です。
ブレーキの二重化 | 片側のブレーキが故障しても、もう片方のブレーキでかごを保持できる |
特定距離感知装置 | 扉が開いている状態で、かごが乗り場から一定距離以上動いたかどうかを判定する機能を持っている |
独立型制御回路 | 通常の制御回路とは別に独立した制御回路を持ち、片方の制御回路で異常が発生しても、もう一つの制御回路でかごを停める事ができる |
地震時管制運転装置を設置することで、地震の初期微動(P波)を感知して、本震(S波)が来る前にエレベーターを最寄り階に停止させることができます。
これにより地震によるエレベーター内の閉じ込めを防ぎ、安全に避難することができます。
セーフティシューとは、エレベーターのドア先端部分に設置する安全装置です。
ドアが閉まる最中に、人や物がセーフティシューに触れると、閉まりかけのドアが反転して開きます。
セーフティシューを導入することで、人や物が挟まる事故を防ぐことができます。
さらに最近では、挟まれる前に赤外線センサーによって人や物を感知し、自動でドアを反転させる「マルチビームドアセンサー」も導入されてきています。
エレベーター事故を未然に防ぐためには、何よりも定期的なメンテナンスが重要です。
定期的なメンテナンスによって常に安全性を確保し、それを繰り返し行っていくことが、事故を未然に防ぐ一番の対策となります。
エレベーターの管理者は、年1回の法定検査と、1ヶ月1回程度の保守点検を行う必要性があります。
また日常的な掃除などもしっかり行うことで、損傷個所や違和感などにも素早く気付くことができるようになります。
このようなメンテナンスの機会をきちんと対応することで、エレベーター事故を防ぐきっかけとなるでしょう。
エレベーターには、地震などの災害時において人の命を守る高度な安全機能が備わっています。
地震の揺れの大きさによって異なる動きをしますので、エレベーターが地震発生時にどのような動きをするのかご紹介します。
ご利用中に万が一のことがあった場合、落ち着いた行動を心がけるようにしましょう。
地震が発生した時、エレベーターは本震(S波)の揺れの大きさによって異なる動きをします。
地震には初期微動(P波)と本震(S波)があり、一般的には初期微動(P波)が先に感知され、その後本震(S波)を感知します。
本震(S波)を 感知しなかった場合 | 弱い本震(S波)を 感知した場合 | 強い本震(S波)を 感知した場合 | |
【地震発生】 | エレベーター昇降中に地震発生 | ||
【最寄階で停止】 | エレベーターに取付けられたセンサーが一定の揺れを検知すると、自動的に最寄階に停止します。 | ↓ | |
【扉を開放】 | 自動的に扉が開放し、利用者の避難を促します。 | ↓ | |
【扉を閉鎖】 | 最寄階で扉が開いた後、 しばらくすると扉が自動的に閉まります。 | ↓ | |
【運転再開】 | 一定時間が経過した後、 通常の運転に自動的に復帰します。 | ↓ | ↓ |
【運転休止】 | – | 通常運転に復帰せず 運転休止します | その場で運転休止します ※エレベーターに損傷がなくても技術者の点検を受けるまで復帰しません。 |
地震時のエレベーター内への閉じ込めが発生するのは、この強い本震(S派)を感知した際の挙動によるものです。
この場合、エレベーターに損傷がなくても、技術者の点検を受けるまでは復帰しません。
エレベーターに乗っている際に地震が発生した場合、どのような対応を取れば良いのか見ていきましょう。
揺れを感じた場合は、まず「すべての行先階ボタンを押し、最初に停止した階で降りる」ようにしましょう。
最寄り階に到着して扉が開いても、一定時間経過すると扉が閉まるため、速やかに外に出るようにしましょう。
※扉が閉まってもエレベーターの中から扉を開けることは可能ですが、外から開くことはできません。
万が一閉じ込められてしまった場合は、「外部連絡装置(インターホン)を利用して状況を正確に伝え、救助を待つ」ようにしましょう。
無理に脱出をしようとすることは大変危険です。
エレベーターには必ず外部連絡装置が付いていますので必ず通報をお願いします。
停電が発生した場合は、「ただちに非常用バッテリーが起動して非常用照明が点灯します。」
エレベーター内が真っ暗になることはないため、落ち着いて外部と連絡をとり救助を待つようにしましょう。
停電のためインターホンが使用できない場合もありますので、その場合は携帯電話などを使って連絡を取るよう心がけましょう。
いかがだったでしょうか。
エレベーターの安全装置と災害時対応について解説いたしました。
特に日常的にエレベーターを使う機会の多い方は、万が一エレベーターの中で地震に遭遇してしまっても、パニックにならないように「どのような行動をすればいいのか」あらかじめ予習しておきましょう。
また、地震が発生した場合「エレベーターが落下するのではないか」と心配される方もいると思いますが、エレベーターは最低3本の頑丈なロープで繋がっているため、滅多に切れることはありません。
※ロープ1本だけでも満員のエレベーターを支えられる頑丈さを持っています
万が一すべてのロープが切れたとしても、即座に安全装置(非常止め装置)が作動し落下することはありません。
また換気口がついているため窒息することもないでしょう。
こちらの記事にもエレベーターの非常事態対応について記載しています。
参考記事:ゼロから学べる!エレベーターの種類や仕組みと構造を分かりやすく解説!