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昇降機の豆知識
「電気代の高騰になんとか対策を打ちたい」「古いエレベーターの故障や段差が目立つようになってきた」と、建物の設備管理にお悩みではありませんか?
メンテナンス業者から「最新のインバーター制御の昇降機にリニューアルしませんか?」と提案され、「そもそもインバーターって何?」「本当にそれほどメリットがあるの?」と疑問に感じている方も多いことでしょう。
この記事では、電気の専門知識がない初心者の方に向けて、インバーターの仕組みや役割、そして導入によって得られる「省エネ」「長寿命化」といった具体的なメリットをわかりやすく徹底解説します。
古いエレベーターやリフト(非インバーター制御)を使い続けることのデメリットを明らかにし、高額な設備投資が本当に自社にとって費用対効果が高いものなのかを判断するためのヒントをお届けします。
ぜひ、次期リニューアルの社内稟議や検討材料としてお役立てください。
インバーターとは、直流(DC)を交流(AC)に変換し、モーターの回転速度を自由に制御する装置です。エアコンや冷蔵庫、洗濯機、エレベーター、工場設備など幅広い機器で使用されており、省エネや機械の長寿命化に大きく貢献しています。
目次
インバーターとは、一言で言えば「電気の種類を変換し、モーターの回転スピードを自由自在にコントロールする装置」のことです。
ここでは、インバーターの基本的な定義と、それが機械の中で果たしている重要な役割についてわかりやすく解説します。
インバーター(Inverter)とは、「直流」の電気を「交流」の電気に変換する装置のことです。
より専門的に言うと、電圧や周波数(電気の波のサイクル)が一定の電気を、「任意の電圧(可変電圧)」と「任意の周波数(可変周波数)」の交流電流に作り変える半導体装置を指します。
電力会社から送られてくる電気は「電圧と周波数が一定」であるため、そのままでは機械の動きを細かく調整することができません。
インバーターを通すことで、電気の波を自在に操ることができるようになるのです。
インバーターの役割は、大きく分けて以下の2つです。
例えば、インバーターがない扇風機は「強」と「弱」くらいしか風量を切り替えられませんが、インバーターがあれば「そよ風のような超微風」から「猛烈な強風」まで、無段階で滑らかに回転スピードを調整できるようになります。

インバーターの仕組みを深く理解するためには、電気の基本的なルールを知っておく必要があります。
ここでは、最低限知っておきたい「直流と交流の違い」や「周波数」について、わかりやすく解説します。
電気の流れ方には、大きく分けて「直流(DC)」と「交流(AC)」の2種類があります。
電気がプラスからマイナスへ、常に一定の方向に流れる電気です。
乾電池やスマートフォンのバッテリー、車のバッテリーなどがこれに当たります。
安定していますが、電圧を変えにくいという特徴があります。
電気が流れる方向と大きさが、周期的にプラスとマイナスを行き来しながら波打って進む電気です。
家庭や工場のコンセントにきている電気はすべて交流です。
変圧器を使って簡単に電圧を変えられるため、発電所から遠く離れた街へ電気を送るのに適しています。
交流の電気が、1秒間にプラスとマイナスの波を繰り返す回数のことを「周波数(ヘルツ:Hz)」と呼びます。
電力会社から送られてくる交流の電気(商用電源)は、地域によって周波数が決まっています。
東日本は50Hz、西日本は60Hzです。
インバーターを使わずにモーターを動かすと、この決まった周波数に合わせてモーターが一定の速度で回り続けることになります。
工場やビルで使われる交流の電気には、線の数によって「単相」と「三相」の違いがあります。
一般家庭のコンセントにきている電気です(100Vや200V)。
テレビや照明など、比較的小さな電力で動くものに使われます。
3つの波を組み合わせて電気を送る方式です(主に200V)。
少ない電流で大きなパワーを生み出せるため、工場にある大型の機械や、エレベーターのモーターを動かす「動力」として使われます。
では、インバーターはどのようにして電気を作り変えているのでしょうか。
ここでは、インバーター装置の内部構造と、電気の流れについて解説します。
一般的に「インバーター」と呼ばれている装置の内部は、主に以下の3つの部品(回路)で構成されています。
インバーター装置の中では、「交流」→「直流」→「交流」という複雑な変換が行われています。
なぜわざわざ一度「直流」にするのかというと、コンセントからきている「交流」の波は、電力会社が設定した一定のリズム(50Hz/60Hz)から直接変えることができないからです。
そのため、一度「直流」にして波を完全に真っ平らにリセットし、そこから自分たちで作った「新しい波(任意の周波数の交流)」を作り直しているのです。
交流モーターの回転速度は、「周波数(Hz)」に比例して変化します。
インバーター回路が作り出す電気の波(周波数)を細かく刻めばモーターはゆっくり回り、波を速くすればモーターは高速で回ります。
このように、電圧(V)と周波数(f)を同時にコントロールしてモーターを最適な速度で動かす仕組みをV/f制御と呼びます。
用語が似ていて混同されやすいですが、役割は正反対です。
実際の産業用機械などでは、この2つを組み合わせて一つの「インバーター装置」として機能させています。
※コンバーターの仕組みや種類について詳しく知りたい方は、「コンバーターとは?インバーターとの違いや種類、仕組みについても解説」もあわせてご覧ください。
インバーターでモーターの回転数を制御できるようになると、私たちの生活やビジネスにおいて計り知れないメリットが生まれます。
ここでは3つの大きなメリットと、気を付けるべき注意点を解説します。
最大のメリットは「省エネ(電気代の削減)」です。
インバーターがない機械は、常に100%のフルパワーで走り続けるか、完全に止まるかの「ON / OFF」しかできません。
一方、インバーターがあれば、必要な時に必要な分だけモーターを回すことができます。
無駄な電力消費を大幅にカットできるため、電気代の高騰に悩むビルや工場にとって非常に大きな投資対効果をもたらします。
インバーターを使わずにスイッチを入れると、機械はいきなり猛スピードで動き出し、急ブレーキで止まります。
これはモーターやベルトなどの部品に大きな衝撃(負荷)を与え、故障の原因となります。
インバーター制御であれば、「ゆっくり動き出し(ソフトスタート)」、「徐々にスピードを落として止まる(ソフトストップ)」ことが可能です。
機械にかかる物理的なストレスが激減するため、設備の長寿命化に大きく貢献します。
回転数を精密にコントロールできるため、機械の「ガクッ」という振動や、耳障りなモーターの唸り音を抑えることができます。
エアコンであれば設定温度をピタリと保つ快適な風を送り出し、エレベーターであれば乗っている人が揺れを感じないほどの滑らかな乗り心地を実現します。
非常に便利なインバーターですが、注意点もあります。
電気を高速でON/OFFして波を作り出す際、「スイッチングノイズ(高周波の電気的ノイズ)」が発生することがあります。
このノイズが周囲のパソコンや精密機器に悪影響を与え、誤作動を引き起こす可能性があるため、インバーターを導入する際は、ノイズフィルター(リアクトル)を設置するなどの適切なノイズ対策をセットで行う必要があります。
もしこの世からインバーターが無くなったら、私たちの生活は非常に不便で、電気代も跳ね上がってしまいます。
インバーターがどれほど多様な場所で活躍しているのか、具体例を見てみましょう。
現代の電車が「ウィーン」という独特な音を立てて滑らかに発車するのは、VVVF(可変電圧可変周波数)インバーター制御のおかげです。
発車時の急激なショック(揺れ)を無くし、乗客の快適性を保ちながら、ブレーキをかけた時のエネルギーを電気として再利用(回生ブレーキ)することで大幅な省エネを実現しています。

ここからは、ビルや工場の設備担当者様が最も直面する課題である「エレベーターやリフト」におけるインバーターの役割について詳しく解説します。
古い設備から最新のインバーター制御にリニューアルすることで、どのような不満が解消されるのでしょうか。
古いエレベーターは、停止階が近づくと急激にブレーキをかけて止まるため、「ガクン!」という不快なショックがありました。
また、荷物の重さによって止まる位置がズレてしまい、床との間に「段差(着床ズレ)」ができることがよくあります。
インバーター制御の最新エレベーターは、巻上機(モーター)の回転をミリ単位で制御します。
出発時はフワッと滑らかに動き出し、停止時はゆっくりとスピードを落として床とピタリと同じ高さ(着床精度が極めて高い状態)で停止します。
これにより、台車での荷物の出し入れ時につまずく危険や、荷崩れのリスクが完全に解消されます。
築20年以上の建物でよく使われている「交流二段制御(速度が2段階しかない)」や「油圧式(ポンプで油を押し出す)」のエレベーターは、稼働するたびに莫大な電力を消費しています。
これを最新のインバーター制御にリニューアルした場合、消費電力を「最大で半分以下」にまで削減できるケースがほとんどです。
毎月の電気代が劇的に安くなるため、リニューアルにかかった高額な初期費用も、長期間の電気代削減効果によって十分に回収(ペイ)することが可能です。
【新旧エレベーターの比較表】
| 比較項目 | 旧式(交流二段制御など) | 最新(インバーター制御) |
|---|---|---|
| 消費電力(電気代) | 常に一定の電力を使用し非常に高い | 必要な分だけモーターを回すため約半分に削減 |
| 乗り心地・ショック | 起動・停止時に「ガクン」と大きな揺れがある | スピードを滑らかに調整し揺れをほぼ感じない |
| 着床精度(段差) | 荷物の重さでズレやすく、段差ができやすい | ミリ単位で制御するため段差ゼロでピタリと止まる |
| 荷崩れ・つまずきリスク | 非常に高い(労災リスクあり) | ほぼ無い(安全性が高い) |
古いエレベーターをインバーター制御にアップデートする(制御リニューアル)ことは、単なる省エネや乗り心地の改善だけが目的ではありません。
現在、古いエレベーターの多くは、最新の建築基準法の安全基準を満たしていない「既存不適格」という状態になっています。
リニューアル工事を行うことで、ドアが開いたままエレベーターが動いてしまう事故を防ぐ「戸開走行保護装置(UCMP)」などの最新の安全装置を組み込むことができ、法的に適正かつ安全な設備へと生まれ変わらせることができます。
「電気代が高い」「段差ができて危ない」「部品の製造が終わって修理できないと言われた」など、古いエレベーター・昇降機でお悩みの設備担当者様は、ぜひアイニチ株式会社へご相談ください。
アイニチは昭和29年の創業以来、71年間にわたり利用客による人身事故0件という確かな安全実績を誇ります。
エレベーターのリニューアル工事においては、何よりも「利用者の安全」を最優先に考え、熟練の技術スタッフが徹底した品質管理のもとで工事を遂行いたします。
当社は特定のメーカーに属さない「独立系」の昇降機専門企業です。
そのため、メーカー系のメンテナンス会社から高額なリニューアル見積もりを提示されている場合でも、アイニチであれば国内すべてのメーカー・機種に対応可能であり、中抜きの無い適正価格で約3割程度のコスト削減(リニューアル費用・その後の保守費用)を実現できる可能性があります。
「本当に今、インバーター制御にリニューアルすべきなのか?」「費用対効果は見合うのか?」といった疑問を解決するため、アイニチでは全国対応(一部離島除く)で無料の現地調査とお見積り作成を実施しております。
現在の設備の老朽化状況をプロの目で診断し、インバーター化による「電気代の削減シミュレーション」を含めた最適なプランをご提案いたします。
現在お使いのエレベーター・リフトの電気代や段差が気になりませんか?まずはお気軽に無料調査をご依頼ください。
「インバーター」とは、直流と交流の電気を変換し、モーターの回転スピードを自由自在にコントロールすることで、「省エネ」「機械の長寿命化」「快適な動作」を実現する極めて重要な装置です。
特に、毎日稼働する工場やビルの「エレベーター・昇降機」においては、旧式の設備からインバーター制御の最新設備へとリニューアルすることで、毎月の高額な電気代を半減させ、段差による荷崩れや事故のリスクをゼロにするという絶大な投資効果をもたらします。
「古いエレベーターの修理費がかさんできた」「メーカーから部品の供給停止を案内された」という場合は、設備更新のベストタイミングです。
長期的なランニングコストの削減と、施設の安全を守るために、ぜひ一度アイニチの無料現地調査をご活用いただき、最新のインバーター制御による快適性を手に入れてください。
エレベーターにおけるより詳しいインバーターの扱いにつきましては、『エレベーターのインバーター(VVVF)について』をご参照下さい。
インバーター機器の寿命やその初期症状・予防保全については、『インバータ機器の寿命とその初期症状や予防保全について』をご参照下さい。