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昇降機の豆知識
現代の物流業界では、注文処理のスピードと正確さがビジネスの成功に直結しています。
しかし、多くの企業が抱える共通の悩みは、商品の取り扱いミスや作業効率の低さです。
あなたの会社でも、注文が増えるたびにピッキング作業が追いつかない、在庫管理が混乱する、といった問題に悩まされていませんか?
こうした問題を放置すると、顧客満足度の低下や売上の減少につながることは明白です。
しかし、毎日の業務に追われる中で、根本的な解決策を見つけるのは難しいかもしれません。
現場で働く従業員のストレスも増し、離職率が上がるリスクも無視できません。
「もっと効率的に、ミスなく作業ができたら…」と感じている経営者や担当者の方は多いことでしょう。
そんなあなたにぜひ知ってほしいのが、ピッキングシステムです。
このシステムを導入することで、ピッキング作業の効率が飛躍的に向上し、ミスも大幅に減少します。
この記事では、ピッキングシステムについて詳しく解説します。
そもそもピッキングとは何か、どんな種類のピッキングシステムがあるのか、メリットやデメリットを踏まえたうえで、どのように選べばよいかを詳しくご紹介します。
これを読めば、あなたのビジネスに最適なピッキングシステムの選び方がわかるはずです。
目次
ピッキングとは、工場や倉庫内にある無数の商品の中から、お客様の注文書やリストに基づいて、必要な商品を正確に探し出し、集める作業です。
この作業は、ネット通販や小売店など、様々な商品が流通する現代社会において、欠かせない物流プロセスの一環となっています。
ピッキング作業は、お客様に商品が正確かつ迅速に届くために非常に重要な役割を果たしています。
ピッキング作業の精度が、企業の顧客満足度やリピート率に大きく影響を与えると言っても過言ではありません。
ピッキングシステムとは、倉庫や工場におけるピッキング作業を効率化し、正確性を高めるためのシステムです。
人手による作業の負担を軽減し、物流全体の効率化に貢献します。
ピッキングシステムには、様々な種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解することで、自社の倉庫に最適なシステムを選ぶことができます。
デジタルピッキングシステム(DPS)は、デジタル表示器を活用してピッキング作業を効率化するためのシステムです。
このシステムでは、商品が保管されている棚やラックにデジタル表示器を取り付け、作業者は表示器に表示されたランプの指示に従ってピッキングを行います。
表示器には必要な商品の数量が表示され、作業者は表示器の点灯を確認しながらピッキングを進めることができます。
デジタルピッキングシステムの大きな特徴は、作業者が商品や部品を知らなくても、表示器の指示に従うだけで正確にピッキング作業ができる点です。
これにより、作業者の熟練度に関わらず高い作業品質を保つことができ、倉庫全体の生産性が向上します。
また、紙を使わないためペーパーレス化が可能で、環境にも配慮したシステムとなっています。
デジタルピッキングシステムは、ピッキング作業をシンプルかつ効率的に行えるよう設計されており、物流業務や製造業の現場で幅広く利用されています。
導入することで、作業の標準化と効率化が実現でき、特に大規模な倉庫や工場での活用が進んでいます。
デジタルアソートシステム(DAS: Digital Assort System)は、種蒔き仕分け作業(アソート)を効率化するためのシステムで、デジタル表示器を活用して作業指示を提供します。
作業者は、棚やカゴ車、オリコンなどに取り付けられたデジタル表示器の指示に従い、点灯したランプを確認しながら、指定された数量の商品を仕分けることができます。
このシステムにより、紙ベースの管理に比べて人為的なミスが減り、作業効率が大幅に向上します。
デジタルアソートシステム(DAS)は、デジタルピッキングシステム(DPS)と仕組みが似ており、両方を合わせてDPS/DASと呼ぶこともあります。
主な違いは、ピッキングが個々の商品をピックアップするのに対し、アソートは複数の商品を仕分け先に振り分けるという点です。
しかし、どちらもデジタル表示器を用いて作業を効率化する点は共通しています。
プロジェクションマッピングを使用したピッキングシステムとは、プロジェクターを用いて、倉庫内の棚やラックに直接ピッキング指示を投影するシステムです。
従来のデジタル表示器を用いたシステムと異なり、配線が不要で、様々な形状の場所に柔軟に対応できるのが特徴です。
プロジェクションマッピングという技術を応用することで、作業指示を視覚的に分かりやすく表示できます。
これにより、作業者は直感的にピッキング作業を進めることができ、作業効率の向上とヒューマンエラーの減少に繋がります。
タブレットピッキングシステムは、従来のハンディーターミナルに代わり、スマホやタブレットを活用してピッキング作業を効率化するためのシステムです。
このシステムでは、作業者がタブレットに表示された指示に従って、必要な商品や部品のピッキングを行います。
タブレットは、ハンディターミナルよりも操作性が高く、多機能であるため、WMS(倉庫管理システム)との連携が容易です。
また、スマホやタブレットに表示される商品画像やマップ情報を確認しながら作業を進められるため、ピッキングの精度が向上し、誤取り出しを防ぐことができます。
タブレットピッキングシステムの大きな利点は、棚にデジタル表示機を設置する必要がない点です。
タブレットの画面に商品や部品の場所や数量が表示されるため、導入費用を抑えることができます。
特に、アイテム数が多い製造業や物流倉庫での導入が進んでおり、作業者の教育コスト削減にもつながります。
ボイスピッキングシステムは、音声ピッキングシステムとも呼ばれ、音声認識技術を活用してピッキング作業を支援するシステムです。
作業者はヘッドセット(イヤホン+マイク)を装着し、音声による指示を受け取るとともに、音声で確認・応答することができます。
この仕組みにより、作業者は紙やハンディーターミナル、タブレットなどの機器を使わずに、ペーパーレスで作業を行うことが可能です。
ボイスピッキングシステムは、両手を自由に使えるため、ハンズフリー作業が求められる物流現場や、重量物の出荷、フォークリフトを使用する作業などで特に有効です。
音声による指示と確認を通じて、画面確認が不要になるため、作業に集中しやすく、ミスを減らしながら作業速度を向上させることができます。
また、簡単な受け答えルールを覚えるだけで操作が可能なため、作業員の教育コスト削減にも寄与します。
さらに、音声認識ピッキングシステムは、視覚に依存しない「アイズフリー」な作業環境を提供し、商品の取り扱いにより注意を払うことができるため、品質の高いピッキング作業を実現します。
このシステムは、様々な物流倉庫や現場で幅広く活用されており、ピッキング業務の効率化に大きく貢献します。
ピッキングシステムを導入することで、以下のメリットが期待できます。
ピッキングシステムを導入することで、ピッキング作業の標準化と生産性の向上が期待できます。
システム化によって、初心者でも熟練者と同様に高い精度で作業を行えるようになり、スキルや習熟度に依存しない安定した生産性を実現できます。
また、ピッキングシステムの導入により、商品の探す手間が省かれ、作業効率が飛躍的に向上します。さらに、ロボットを活用した完全自動化により、労働時間や環境に左右されない稼働が可能となり、作業員の負担軽減と稼働効率の向上によって、生産性が一層高まります。
ピッキングシステムやロボットによる自動化の導入は、作業ミスの削減と作業品質の向上に大きく貢献します。
従来の手作業では、スタッフのスキルや経験によって作業品質が左右され、ミスが発生しやすい環境でした。
しかし、デジタル機器やITを活用したシステムを導入することで、作業の標準化が可能となり、ヒューマンエラーを抑止できます。
例えば、ピッキング作業中にミスがあった場合、タブレットにアラートを表示させることで即座に対応が可能になります。
これにより、誤出荷やピッキングミスを大幅に減らし、物流の品質を向上させることができます。
システムに依存したピッキングでは、見間違いや思い込みといった人為的なミスが排除され、安定した作業品質が確保されます。
その結果、余計なコストを削減し、高いコストパフォーマンスを実現することができます。
ピッキング作業の自動化やシステム化によって、人件費や育成コストを大幅に削減することが可能です。
従来の手作業によるピッキングでは、多くの作業スタッフが必要とされ、作業の属人化が避けられず、そのための育成や教育コストが発生していました。
しかし、作業の標準化と自動化により、必要な作業者数が大幅に減少し、5人で行っていた作業を3人で効率的に完了させることができるようになります。
これにより、作業時間の短縮と生産性の向上が実現し、ピッキング作業にかかる人件費を大幅に削減できます。
また、省人化や無人化によって、これまでの人材育成や教育にかかるコストも削減でき、経営基盤をより強固にするメリットがあります。
ピッキングシステムを導入する際に、どのようなデメリットがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
ピッキングシステムの導入には、一定のコストと期間が必要となります。
システム用のパソコンやLANの配線といった機材の準備に加え、システム構築から導入までの工程が必要であり、特にアナログな環境においてはこれがデメリットといえるでしょう。
さらに、現行のピッキング作業の規模によっては、導入後の投資対効果が期待できないリスクも考慮しなければなりません。
しかし、導入コストが高額であったとしても、ピッキングシステムによる効率化や生産性の向上、そして人件費の削減などを考慮すると、長期的には導入コスト以上のメリットを得ることが可能です。
ピッキングシステムを導入する際には、システムを適切に運用・管理するための人材が必要です。
高機能なシステムを導入したとしても、運用できる人材がいなければ、その性能を最大限に活かすことはできず、システムが十分に活用されないリスクがあります。
さらに、停電などでシステムがダウンした場合、製品の読み取り機と管理用パソコンの連携ができなくなるため、ピッキング作業が停止する可能性もあります。
しかし、運用・管理を担う人材を育成・雇用することで、システムを効率的に稼働させ、作業者数の削減や作業効率の向上を実現することが可能です。
ピッキングシステムは、設定された手順に基づいて効率的にピッキング作業を行う能力に優れていますが、例外対応や緊急対応が必要な場合には、その柔軟性に欠けることがあります。
計画外の仕分けやピッキング作業が発生した際、システムに対応させるには時間がかかり、迅速な対応が難しくなることがあります。
また、システムと各製品が1対1で紐づいているため、保管場所の変更が難しく、融通が利かなくなるというデメリットもあります。
このため、例外対応が頻繁に求められる倉庫では、ピッキングシステムよりも、紙によるピッキング作業の方が適している場合もあります。
ピッキングシステムを選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。
ピッキングシステムを選定する際には、作業の特性に応じた方式を選ぶことが重要です。
ピッキング方式は大きく分けて「摘み取り方式」と「種まき方式」の二つがあり、それぞれに適した場面があります。
摘み取り方式(シングルピッキング、オーダーピッキング)は、1オーダーごとに商品をピックする方法です。
作業スピードや精度を向上させる目的で利用され、ピッキングから検品、梱包、出荷までが一連の流れで進行するため、注文から出荷までの時間が短いことがメリットです。
ただし、オーダーが多い場合には、倉庫内を何度も往復することになり、作業者の負担が大きくなりやすい点がデメリットです。
一方、種まき方式(トータルピッキング、アソート方式)は、複数のオーダーをまとめてピッキングし、その後で仕分け作業を行う方法です。
出荷先が多く、製品種類が少ない場合に向いており、作業者の移動時間や負担を軽減できる点がメリットです。
ただし、ピッキング後に仕分け作業を挟むため、出荷までに時間がかかることがデメリットとなります。
ピッキングシステムを選ぶ際には、これらの方式の特性をよく理解し、自社の物流業務に最適なシステムを導入することが求められます。
導入前には、どの方式が自社の業務に合致しているかを確認し、最適なピッキングシステムを選定することが重要です。
ピッキングシステムを導入する際には、「無線式」と「有線式」のどちらを選ぶかが重要なポイントとなります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、導入目的や運用環境に合わせて選定する必要があります。
無線式のピッキングシステムは、配線工事が不要なため、導入が比較的容易で自由度が高い点が大きなメリットです。
製品の配置換えがあった際にも、表示器を簡単に移動できるため、運用の柔軟性が高いです。
しかし、無線式のデバイスは定期的に充電が必要であり、その都度ラックから取り外して充電する手間がかかる点がデメリットとなります。
また、導入が必要な表示器の数が多い場合、セット作業や充電管理などにより運用保守コストが高くなる可能性があります。
一方、有線式のピッキングシステムは、導入時に配線工事が必要であり、初期投資が高額になる点がデメリットです。
さらに、配置換えが必要になった際には、配線の変更が伴うため、無線式に比べて柔軟性が低いです。
しかし、有線式の場合、充電の必要がなく、運用保守コストが抑えられる点が大きなメリットです。
長期的に見て、運用の手間が少なくなるため、安定した運用を求める場合に適しています。
ピッキングシステムを選定する際には、無線式と有線式のそれぞれの特徴を理解し、自社の業務に最も適した方式を選ぶことが重要です。
導入後の運用を見据えて、どちらの方式が最も効率的かを判断することが、システム選定の成功につながります。
ピッキングシステムの導入を検討する際には、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つのシステム形態を理解し、それぞれのメリットとデメリットを比較することが重要です。
クラウド型は、インターネット上のサーバを利用するシステムであり、自社でサーバやデータセンターを持つ必要がないため、初期費用を大幅に抑えられる点が魅力です。
また、サーバー管理やOSのアップデートといった保守作業から解放されるため、情報システム部門のリソースが限られている場合でも利用しやすいのが特徴です。
しかし、カスタマイズが難しく、既存のシステムとの連携には手動での作業が残ることが多く、さらに外部サーバとのネットワークを介してアクセスするため、セキュリティ面での配慮が必要となります。
一方、オンプレミス型は、自社のサーバにソフトウェアをインストールして利用するシステムで、サーバやデータセンターの管理を自社で行うため、システムのカスタマイズや既存システムとの連携が容易で自由度が高いという大きなメリットがあります。
しかし、初期導入時に高額なコストがかかる上、定期的なサーバーメンテナンスが必要で、導入から稼働開始までに時間がかかるというデメリットも存在します。
このように、クラウド型とオンプレミス型にはそれぞれ異なる利点と欠点があるため、自社のニーズやリソースに基づいて最適な選択を行うことが、ピッキングシステムの成功的な導入に繋がります。
ピッキングシステム導入は、企業の物流効率化に欠かせない一手と言えるでしょう。
しかし、導入にあたっては、自社の規模や取り扱う商品、そして将来的な事業展開などを考慮した上で、最適なシステムを選ぶことが重要です。
本記事では、ピッキングシステムの基本から導入のメリット・デメリット、そして選ぶ際のポイントまでを解説しました。
この記事で得た知識を活かし、ぜひピッキングシステムの導入を検討してみてください。