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昇降機の豆知識
物流倉庫や配送センターで活躍する「ソーター」という機械をご存じですか?
ソーターは、荷物を自動で仕分ける装置として、多くの企業で導入が進んでいます。
しかし、その仕組みやメリット、デメリットを理解していないと、導入の判断に迷うことも多いでしょう。
本記事では、ソーターの基本的な仕組みから種類ごとの特徴、導入のメリット・デメリット、さらに導入時のポイントまで、初心者でも分かりやすく解説します。効率的な物流運営を目指す方必見の内容です!
目次
ソーターとは、仕分け作業を自動化するための装置です。
絶え間なく届く商品や荷物を、店舗別や配送先別に迅速かつ正確に仕分けることができ、主に倉庫や配送センターで多く導入されています。皆さんがネットで注文した商品が素早く届けられる裏側には、ソーターの存在が大きく関わっています。
物流倉庫では、膨大な荷物を短時間で処理する必要がありますが、ソーターの導入により、仕分けのスピードと正確さを格段に向上させることが可能です。
これにより、作業の効率化が図られ、人手での仕分けに比べてスピードや精度が大幅に向上します。
倉庫内では、ベルトコンベアを使って物を移動させながら、バーコードやタグを読み取り、それぞれの目的地に荷物を送るのがソーターの基本的な役割です。
また、ソーターには荷物をコンベアで搬送しながら仕分ける「コンベアタイプ」と、搬送ロボットを用いて仕分けを行う「ロボットタイプ」の2つの大きな種類があります。それぞれのタイプが物流の現場で役割を果たし、自動化に貢献しています。
このように、ソーターは物流倉庫において欠かすことのできない存在であり、私たちが効率よく商品を受け取れる環境を支えているのです。
物流倉庫で使われるソーターには、大きく分けて「コンベアタイプ」と「ロボットタイプ」の2種類があります。ここでは、代表的なソーターの種類とその特徴について解説します。
コンベアタイプのソーターは、ベルトコンベアなどを利用して荷物を搬送し、目的地に向けて連続的に仕分けを行うシステムです。
このタイプのソーターは、大量の荷物を一度に処理できるため、大型の物流倉庫に適しています。ただし、設置には広いスペースが必要なため、スペースに余裕のある倉庫での導入が主流です。
スライドシューソーターは、搬送経路に設置されたシュー(滑り板のような部品)を使って荷物を押し出し、指定された方向に送り出す仕組みを持つソーターです。
このシステムでは、移動中の荷物をそのまま仕分けることができるため、高速な仕分けが可能です。
また、シューは樹脂製でできているため、荷物に傷がつく心配が少なく、さまざまなサイズの荷物に対応できる汎用性の高さが特徴です。安全かつ効率的に処理を行いたい場合に最適な選択肢です。
ポップアップ式ソーターは、荷物を持ち上げるポップアップローラーを上下に動かして仕分けるタイプのソーターです。荷物が分岐点に差し掛かった際に、ローラーが持ち上がり、そのままスムーズに指定の方向に送り出します。
この仕組みにより、さまざまな種類の荷物に対応できるため、多様な環境で利用されており、段ボールや重い荷物などの搬送にも適しています。
クロスベルトソーターは、ベルトコンベアを使って荷物を仕分けるタイプのソーターで、搬送物がベルトの上で安定して運ばれるため、荷物に傷がつく心配がありません。
この仕組みにより、さまざまなサイズや形状の荷物に対応可能で、不規則な形をしたゴルフバッグのような大きな荷物から小さな荷物まで幅広く対応しています。摩擦を最小限に抑え、荷物の状態を保ちながらスムーズに仕分けが行えます。
ロータリーソーターは、一般的な平面での仕分けとは異なり、立体的に空間を活用して仕分けを行うタイプのソーターです。このため、省スペースでありながら、効率的に荷物の保管や整列、仕分けを実現できます。
限られたスペースでも高いパフォーマンスを発揮することができるため、スペースの有効活用が求められる物流現場での利用に適しています。
ターンテーブル方式ソーターは、ターンテーブルを使って荷物の進行方向を変えることで仕分けを行うタイプです。ローラーコンベアを備えたターンテーブルが回転し、荷物をスムーズに方向転換して仕分けます。
このシンプルで正確な仕組みにより、効率的な仕分けが可能で、比較的コストを抑えて導入できるのが特徴です。多様な物流環境に適しており、柔軟に設置することができます。
プッシャー方式ソーターは、搬送物を横から押し出して仕分けを行う仕組みを持つタイプです。荷物が分岐点に達したときにプッシャーが作動し、指定された区画に押し出します。
この方式は、書類や小型の荷物など、比較的軽量の荷物の仕分けに適しており、設置場所に応じて柔軟にレイアウトを変更できるため、多様な物流現場で活躍しています。
ダイバータ方式のソーターは、搬送ライン上に設置されたダイバータがスイングして荷物を仕分けるタイプです。スイング時には荷物への衝撃を軽減するように設計されているため、安全に仕分けが行えます。
また、設置環境に応じてレイアウト変更が容易で、多くの物流現場で利用されています。
チルトトレイ方式ソーターは、ピース単位の商品を仕分けるのに適したタイプです。トレイに商品を乗せて、バーコードを読み取ることで行き先に応じてトレイが傾き、商品を目的のコンテナや箱に投入します。
この仕組みにより、検品と仕分けを同時に行うことができるため、ダブルチェックの手間が省け、効率的に仕分けが進みます。軽量で小さな商品の仕分けに特に適しています。
ラインベルトソーターは、メインライン上に配置されたベルトコンベアを使用し、分岐点ごとに設けられたポップアップホイールで仕分けを行うタイプのソーターです。荷物が仕分けポイントに差し掛かると、ベルトの隙間からホイールがせり上がり、荷物を指定のレーンへ誘導します。
このシステムは非常に高い仕分け能力を持ち、仕様によっては1時間あたり約10,000個の仕分けを行うことも可能です。高速かつ効率的な仕分けが求められる現場において大いに活躍します。
ロボットタイプのソーターは、搬送ロボット(AGVやAMR)を使用して荷物を仕分けるシステムです。これらのロボットは自律的に動き回り、荷物を仕分け先に運ぶため、設置場所を選ばずに導入できるというメリットがあります。
固定された大型の設備とは異なり、比較的小規模な施設でも利用が可能で、設置も簡単であるため、短期間で導入が完了することが多いです。
さらに、ロボットタイプは拡張性にも優れており、季節による荷量の変動に応じて台数を増やすことで、簡単に生産能力を向上させることができます。
柔軟性と効率を兼ね備えたこのソーターは、現代の物流ニーズに非常に適した選択肢といえるでしょう。
自律型ロボットは、既存の倉庫内を自らの力で自由に走行しながら荷物を仕分けるロボットです。このタイプのロボットは、特に重い荷物の仕分けやケースの移動を補助することができ、効率的な仕分けをサポートします。倉庫内の既存設備を活用しながら動くことができるため、導入も比較的容易です。
平面型ロボットソーターは、倉庫内のラックやパレット上を移動しながら荷物を仕分けるタイプのロボットです。コンベアタイプ比べると、設置スペースが小さくて済むため、限られたスペースを有効に使えるというメリットがあります。これにより、小規模な倉庫やスペースの限られた施設でも柔軟に導入することが可能です。
立体型仕分けロボットは、平面型の仕分けシステムと比べて、空間を立体的に活用することで省スペースかつ効率的な仕分けを可能にするタイプです。このロボットは、特に軽量で小さな荷物の仕分けに適しており、高速での仕分け作業が求められる現場で活躍しています。
物流倉庫でソーターを導入することで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、ソーター導入による主な利点を説明します。
ソーターを導入することで、仕分け作業が自動化されるため、多くの人手を必要としなくなります。これにより、人件費を大幅に削減することができ、物流倉庫の運営コストの軽減に繋がります。
特に、仕分け作業には多くの時間と労力がかかるため、自動化することで従業員の負担を減らし、より効率的な業務運営が可能になります。
人手による仕分け作業では、どうしてもミスが発生することがあります。しかし、ソーターを導入することでバーコードやタグの読み取りが正確に行われ、仕分けミスが大幅に減少します。
これにより、顧客への誤配送を防ぎ、サービス品質の向上を図ることができます。高精度な仕分け作業が行えることで、信頼性の高い物流体制を構築することが可能です。
ソーターは大量の荷物を短時間で処理できるため、仕分け作業の生産性が大幅に向上します。人手で行う場合と比べて、荷物の搬送や仕分けのスピードが格段に速くなるため、物流全体の効率が上がります。
これにより、より多くの荷物を扱うことができ、顧客からの注文に迅速に対応できるようになります。
ソーターは操作が比較的簡単で、一度設定すれば自動的に作業を行うことができます。そのため、仕分け作業の手順が標準化され、誰でも同じ品質で作業を行うことが可能です。
これにより、作業者間のばらつきをなくし、安定した業務運営が実現します。また、システムを使った管理がしやすくなるため、効率的な物流管理が可能です。
ソーターを導入することで得られる多くのメリットがありますが、一方で考慮すべきデメリットも存在します。ここでは、ソーター導入に伴う主な課題について解説します。
ソーターを導入する際には、初期投資として多額のコストが必要になります。設備そのものの費用に加え、設置工事やシステム導入、そしてソーターを動かすためのスタッフ教育にも費用が発生します。
特に、規模の大きなソーターであればあるほど導入コストは高くなり、中小規模の物流倉庫にとっては大きな負担となる場合があります。そのため、導入前には十分な費用対効果の検討が必要です。
ソーターは機械であるため、故障やトラブルが発生することがあります。万が一ソーターが停止すると、仕分け作業全体がストップしてしまう可能性があり、物流の流れが滞るリスクがあります。
こうしたトラブルが発生した場合、復旧には時間とコストがかかることが多く、迅速に対応できるメンテナンス体制を整えることが重要です。また、トラブルを未然に防ぐための定期的な点検やメンテナンスが必要になります。
ソーターを導入する際には、既存の物流倉庫のオペレーションやレイアウトを変更する必要があることがあります。特に、倉庫の設計や作業フローをソーターに合わせて見直さなければならない場合もあり、そのための時間やコストが追加で発生します。
また、ソーター導入後の効率的な運用を実現するためには、従業員への教育や新たな作業ルールの整備が求められることが多く、全体的な運用変更に対応する準備が必要です。
ソーターを物流倉庫に導入する際には、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。ここでは、スムーズな導入と運用のために押さえておきたいポイントを紹介します。
ソーターを導入する際には、まず取り扱う荷物のサイズや重量、仕分けのスピードなどに応じて最適な機種を選定することが重要です。また、機種ごとに設置に必要なスペースや納期なども異なるため、これらの条件をしっかり確認しておくことで、導入後のトラブルを防ぐことができます。
検討中のソーターの処理能力と、自社で扱う荷物の量が合致しているかを確認することが必要です。ソーターの性能だけでなく、それを使用するために必要な人員や作業フローも考慮し、全体としての生産性を評価することが求められます。特に、ベルトコンベアタイプの場合は、荷物の積み下ろしにどの程度の労力が必要かも重要な検討事項です。
導入段階で仕分けレーンの数や間口の柔軟性を確認しておくことも大切です。仕分ける量などが変動した際に、レーン数を増減できるかどうかを事前に検討することで、導入後の運用をスムーズに行うことが可能です。また、こうした柔軟性を考慮することで、コストの見通しも立てやすくなります。
ソーターの導入には、初期コストだけでなく維持管理のためのランニングコストも考慮する必要があります。定期的な点検や部品の交換、トラブル時の修理など、メンテナンスにかかる費用は見逃せない要素です。導入前にメンテナンス体制やコストについても確認し、予算に含めて計画を立てることが重要です。
ソーターは物流の現場において、効率的な荷物の仕分けを実現する重要な役割を担っています。
メリット・デメリットを理解し、導入ポイントを考慮することで、倉庫内の運営効率を大幅に向上させることができます。
物流の自動化に興味がある方は、ソーターの種類や自社に適した導入方法を検討してみてはいかがでしょうか。他の記事でも、物流効率化に役立つさまざまなツールやシステムを詳しく紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。