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昇降機の豆知識
このページでは、トラクション式エレベーターの「ローピング」方式についてまとめています。
目次
ローピングとは、ワイヤーロープで繋がれている「カゴ」と「ウエイト(重り)」を滑車(そらせ車)に掛けることをいいます。
トラクション式エレベーターで使用されるローピング方式は、主に「1:1ローピング」と「2:1ローピング」の2種類です。
1:1および1:2は、”巻上速度”と”カゴの昇降速度”の比率を表しています。
では、それぞれの違いを見ていきましょう。
1:1ローピングは、「巻上速度が1m/min」の時、「カゴの昇降速度が1m/min」のローピング方式です。
カゴとウエイトが均等に吊るされているシンプルな構造です。
一番多く使用されているローピング方式です。
2:1ローピングは、「巻上速度が2m/min」の時、「カゴの昇降速度が1m/min」のローピング方式です。
カゴの上に滑車が設けられている複雑な構造です。
このローピング方式は、巻上機の回転数を2倍(1:1ローピングの昇降速度と同じにする場合)にする必要があるかわりに、荷重を半分に減らすことができます。
積載荷重の大きいエレベーターや機械室レスエレベーターで用いられています。
ローピング方式と自転車の変速機
ローピング方式の違いについて、構造は違いますが、自転車の変速機を想像すると分りやすいと思います。
例えば、「1~6」の目盛りの入った変速機付きの自転車があるとします。
メモリを「1」にすると、自転車のペダルは軽くなりますが、早くこがないと、なかなか進みません。
逆にメモリを「6」にすると、自転車のペダルは重くなりますが、少しこぐだけで、勢い良く進みます。
「1:1ローピング」と「2:1ローピング」も同じような違いです。
「2:1ローピング」は、軽い力でカゴを昇降できますが、巻上機の回転数を多くしないと、エレベーターの昇降速度が遅くなります。