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昇降機の豆知識
この記事では、「小型エレベーター」と「ホームエレベーター」という2種類のエレベーターを比較していきます。
簡単にまとめると下記のようになります。
小型エレベーター | ホームエレベーター | |
---|---|---|
定員 | 3名以下 | 3名以下 |
積載量 | 200kg以下 | 200kg以下 |
昇降行程 | 10m以下 | 上限、下限の規定はない |
かご床面積 | 1.1㎡以下 | 1.3㎡以下 |
内装材 | 基本的には難燃材使用 | 難燃材使用の制限がない |
法定積載荷重 | 1800N/㎡ | 1800N/㎡ |
設置できる場所 | 福祉施設、協会、診療所、学校など | 住戸 |
定期検査 | 必要 | 不要 |
(令和元年9月17日時点)
この中で、一番大きな違いは「設置できる場所」です。
下記で、具体的に説明します。
目次
小型エレベーターは、通常のエレベーターの荷重に対して緩和が適用されたものです。
本来エレベーターのかごの積載荷重は、かごの種類に応じて定められています。
ただし、特殊なエレベーターで国土交通大臣が定めるものは、用途に応じて定められた別の数値が適応されます。
(エレベーターの荷重)
出典:令第129条の5第2項
エレベーターのかごの積載荷重は、当該エレベーターの実況に応じて定めなければならない。ただし、かごの種類に応じて、次の表に定める数値(用途が特殊なエレベーターで国土交通大臣が定めるものにあつては、当該用途に応じて国土交通大臣が定める数値)を下回つてはならない。
別の数値を適応させる条件として、下記の要件を満たす必要があります。
(用途が特殊なエレベーター及び当該エレベーターのかごの積載荷重を定める件)
出典:告示第1415号第1第3号
昇降行程が十メートル以下で、かつ、かごの床面積が一・一平方メートル以下のエレベーター 床面積一平方メートルにつき千八百として計算した数値で、かつ、千三百以上の数値
上記の条件を満たしていれば、エレベーターの荷重に対して緩和が適用されます。
また、設置できる場所に関しても、ホームエレベーターとは違い住戸内という条件はありません。
ただし、バリアフリー法令や、福祉のまちづくり条例にて各自治体が整備基準などを強化することが可能となっています。
設置を希望される場合は、各都道府県及び各政令指定都市に確認する必要があります。
エレベーター同様、建築基準法第12条の3項に基づく検査が必要です。
おおむね6ヶ月から1年ごとに、検査者(一級建築士または二級建築士または昇降機等検査員)による検査を実施した後、定期検査結果に基づいた定期検査報告書を作成し、特定行政庁に報告する義務があります。
(令和元年9月17日時点)
ホームエレベーターは、小型エレベーターと同様に積載荷重に関して緩和が適応され、さらに「特殊な構造又は使用形態のエレベーター」として通常の規定を除外したものです。
129条の3第2項1号において、通常規定の適用を除外することができる特殊な構造のエレベーターの構造方法が定められています。
(適用の範囲)
出典:令第129条の3第2項第1号
2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる昇降機については、それぞれ当該各号に掲げる規定は、適用しない。
一 特殊な構造又は使用形態のエレベーターで国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの 第百二十九条の六、第百二十九条の七、第百二十九条の八第二項第二号、第百二十九条の九、第百二十九条の十第三項及び第四項並びに第百二十九条の十三の三の規定
さらに、適用除外の条件として告示1413号第1第6号が定められており、そこでホームエレベーターが規定されています。
(特殊な構造又は使用形態のエレベーター及びエスカレーターの構造方法を定める件)
出典:告示1413号第1第6号
籠が住戸内のみを昇降するエレベーターで、籠の床面積が一・三平方メートル以下のもの
上記でホームエレベーターは、かごが住戸内のみを昇降するエレベーターで、かごの床面積が1.3㎡以内のものと定められています。
「特殊な構造又は使用形態のエレベーター」に関してまとめております。合わせてご覧ください。
もともとは、昇降行程が10m以下という規定がありましたが、2015年の法改正により制限が廃止されました。詳しくはホームエレベーターの規制緩和をご覧ください。
定期報告制度の改正(平成28年6月1日施行)により、特定行政庁への報告は不要です。
平成28年1月21日付け国土交通告示240号で、かごが住戸内のみを昇降するものは事故の発生する恐れが少ない昇降機と規定され、定期検査は不要となりました。
ただし定期的な保守点検は、建築基準法第8条第1項の規定通り必要になります。
(令和元年9月17日時点)
簡単にいうと、下記のようになります。
・一番大きな違いは「設置できる場所」
・エレベーターから積載荷重の条件を緩和したものが「小型エレベーター」
・そこからさらに条件緩和し、住戸内のみに設置を制限したのが「ホームエレベーター」
また、ホームエレベーターの定期検査に関しては不要となりますが、保守点検は引き続き必要です。昇降機を日々問題なく使用するためにも欠かさないようにしましょう。
商品ページ:ホームエレベーター