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昇降機の豆知識
小荷物専用昇降機(ダムウェーター)は、一般的なエレベーターとは違い、人は運ばず、荷物のみを運ぶための昇降機として様々な場所で使用されています。
小中学校や保育園では給食配膳用の昇降機として、
飲食店では料理やビールケースを運搬する昇降機として、
図書館や倉庫・工場では小さな荷物を運搬する為の昇降機として活用されています。
建築基準法第8条1項には「建築物の所有者、管理者または占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と規定されています。
その為、小荷物専用昇降機の安全性を維持するには、所有者・管理者の方の適切な維持管理が必要となります。
本記事では小荷物専用昇降機(ダムウェーター)の定期検査・保守点検の重要性について解説していきます。
目次
小荷物専用昇降機は「定期検査」と「保守点検」の2種類の検査・点検が必要になります。
定期検査は建築基準法第12条第3項に基づいて定められており、「昇降機が国土交通大臣の定める基準に適した状態であるか」を確認します。
おおむね6ヶ月~1年ごとに「一級建築士または二級建築士または国土交通大臣が定める資格を有する者(昇降機等検査員)」が検査を行います。
またこの検査結果について、定期検査報告書を作成し特定行政庁に報告する義務があります。
※テーブルタイプ(昇降機の全ての出し入れ口の下端が当該出し入れ口が設けられる室の床面よりも50cm以上高いもの)に関しては特定行政庁が指定した場合に限ります。
こちらの記事も併せてご確認ください。
小荷物専用昇降機の定期報告改正について(平成28年6月1日施行)
小荷物専用昇降機の適切な維持管理のためには「保守点検」が必要不可欠です。
保守点検は建築基準法第8条第1項に基づいて定められており、「昇降機を専門としている保守会社の作業員が昇降機に異常がないか」を確認します。
使用頻度に応じて実施が推奨されていますが、保守点検業者と年間の点検回数を相談し、実施しているケースが多いようです。
保守点検は必ず実施し、適切な維持管理に務めましょう。
小荷物専用昇降機は建築設備であり、その保守点検は所有者・管理者の責任となっています。
これは建築基準法第8条1項において「建築物の所有者、管理者または占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と規定されています。
「手足が挟まる」などの人身事故を未然に防ぎます。
小荷物専用昇降機は文字通り、荷物の運搬のみに使用し、人が搭乗することは禁止されているため、一般のエレベーターよりも安全装置が簡略化されています。
ドアロックやリミットスイッチ等の電気系統部品は、メンテナンスを怠っていると突然故障する可能性があります。
特に人の安全を守るための装置の故障・トラブルは人身事故に繋がる恐れがあります。
小荷物専用昇降機は日常的に使用されるため、長期間の使用により部品の摩耗や破損により性能が低下します。
性能が低下すると、異音が発生したり業務効率の低下に繋がります。
これらは定期的な保守点検を実施し改善することで機能や性能を維持することができます。
不具合の早期発見は修理費削減に繋がります。
例えば、グリスが不足するとレールとガイドシューの摩擦が大きくなります。
その結果、通常より早く部品の劣化が進行し、レール・ガイドシュー・ワイヤーロープ等の交換が必要になります。
保守契約を結ぶことにより部品を素早く調達し、業務遅延リスクを最小限に抑えます。
保守契約を結んでいない小荷物専用昇降機は、現状が分からないため状況確認後の再訪問となるケースが高く、「時間」と「費用」が多くかかってしまいます。
保守契約を結んでいる場合は、小荷物専用昇降機で使われている部品は、万が一のトラブルに備えて在庫として保管されています。
トラブルが発生したときでも、素早く部品を調達して対処することができるため稼働への影響を最小限に抑えることができます。
保守点検を行う頻度については、小荷物専用昇降機を使用する頻度に応じて異なります。
前述の通り保守点検は建築基準法第8条第1項に基づいて定められています。
では、小荷物専用昇降機を「常時適法な状態に維持する」とはどのようにすれば良いのでしょうか?
これについては国土交通省が定めている「昇降機の維持及び運行の管理に関する指針」の中に記載されています。
第二章 昇降機の適切な維持管理のために所有者がなすべき事項
出典:昇降機の維持及び運行の管理に関する指針
第1 定期的な保守・点検
1 所有者は、自ら適切に保守・点検を行う場合を除き、保守点検契約に基づき、昇降機の使用頻度等に応じて、定期的に、保守・点検を保守点検業者に行わせるものとする。
上記の通り「昇降機の使用頻度に応じて、定期的に」行うことが推奨されています。
この「定期的に」というのは、旧ガイドラインでは、エレベーターはおおむね 1 月以内ごとに実施とされております。保守点検をおおむね月に1回程度実施が理想だと思われますが、専門業者や保守点検業者と相談し、適切な頻度とタイミングで行う事が重要です。
小荷物専用昇降機で故障が発生してしまった場合は、まず保守会社に連絡をして状況を伝えましょう。
また下記を事前に行う事で、2次災害の回避や故障原因の特定が出来たり、復旧を早めることができます。
小荷物専用昇降機周辺の安全を確保します。
昇降機が動かない状態だったとしても、急に作動して事故が起きる可能性があります。
決して隙間からのぞき込んだり、扉を開けたりすることは厳禁です。
そのためモーターが作動中の時はブレーカーの電源を切って安全を確保しましょう。
また故障中であることや、動作に異常があることを目に見える位置に掲示し注意喚起を行います。
どのランプが点灯・点滅しているなど、昇降機の情報を頂ければ、よりスムーズに対応できます。
※故障時は、無理せず、まずは安全確保して頂き、保守会社に連絡をお願いします。
いかがだったでしょうか。
小荷物専用昇降機は建築基準法第8条にある通り、所有者・管理者が適切な維持管理を行い、小荷物専用昇降機の安全性を維持する必要があります。
その安全性を確立させるために、定期的な点検が義務付けられています。
小荷物専用昇降機に必要な点検は「定期検査」と「保守点検」の2種類です。
※テーブルタイプ(昇降機の全ての出し入れ口の下端が当該出し入れ口が設けられる室の床面よりも50cm以上高いもの)に関しては定期検査は特定行政庁が指定した場合に限ります。
これらの点検は誰でも行えるわけではなく、専門業者が行います。
また、定期検査が必要な場合、検査を怠ると罰則が科される可能性もあるため、必ず実施し、定期検査報告を行いましょう。
弊社では小荷物専用昇降機(ダムウェーター)のメンテナンス・保守点検に関するご相談を承っています。
ぜひお気軽にアイニチ株式会社までお問い合わせください。