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昇降機の豆知識
高齢者や障害者の方にとって、エレベーターは、建物内を安全に移動するための重要な設備です。
しかし、エレベーターがバリアフリーに対応していない場合、利用に困難を感じる方も少なくありません。
例えば、車いすの方の場合、エレベーターのドア幅が狭かったり、ボタンが押しにくい位置に設置されていたりすると、利用が困難になります。
また、目の不自由な方の場合、ボタンの配置やアナウンスがわかりにくく、安全に利用することが難しい場合があります。
このような問題を解決するために、近年ではエレベーターのバリアフリー化が進められています。
そこで今回は、車いす兼用エレベーターのバリアフリーについて詳しく解説していきます。
目次
車椅子兼用エレベーターは、車椅子利用者だけでなく、ベビーカーやショッピングカートなど、大きな荷物を持った人でも利用しやすいように設計されたエレベーターです。
国土交通省の「バリアフリー建築基準」では、建築物の高さが31mを超える場合、車椅子兼用エレベーターの設置が義務付けられています。
高齢化社会の進展に伴い、車椅子利用者や高齢者の増加が見込まれることから、車椅子兼用エレベーターの設置はますます重要になっています。
車いす兼用エレベーターは一般的なエレベーターとは異なる特徴を持っています。
車いす兼用エレベーターと一般のエレベーターは見た目が似ているため、特徴が分かりにくいという方も多いのではないでしょうか。
ここからは、車いす兼用エレベーターの特徴をご紹介します。
まず一番見分けやすい点として車いす兼用エレベーターには、車いすマークの入った専用の乗場ボタンが設置されています。
このボタンは、通常の乗場ボタンよりも低い位置に設置されているため、車いす利用者が押しやすいようになっています。
車いす兼用エレベーターのかご内には、車いす利用者が乗り降りしやすいように、手すりやミラーが設置されています。
また、かごの扉は、車いす利用者が優先的に利用できるように、開く時間が長めに設定されています。
エレベーターは、高齢者や障害者など、さまざまな人が利用する設備です。
そのため、バリアフリー化が進められており、車いすやベビーカーの利用者でも安心して利用できるように配慮されています。
ここでは、エレベーターのバリアフリーについて見ていきましょう。
バリアフリー化が施されているエレベーターのかご内には、車いす利用者や高齢者、視覚障害者の移動や歩行をサポートするための手すりが設置されています。
手すりは、かごの両側面に設置されていることが一般的です。
バリアフリー化が施されているエレベーターのかご内には、車いす利用者が乗り降りしやすいように、鏡が設置されています。
鏡は、車いす利用者が乗り降りする際に、自分の位置や周囲の状況を確認するのに役立ちます。
例えば、狭いエレベーターに車いすで乗ると回転が出来ない場合があります。
そういった際に、鏡があれば鏡で後方を確認しながら降りることが可能になります。
車いす兼用エレベーターのボタンは、車いす利用者が押しやすいように、かご内の低い位置に設置されています。
また、車いす利用者が優先して利用できるように、車いすマークの入ったボタンが設置されています。
車いすマークの入った操作盤のボタンを押すと、かごの扉が自動で閉まるまでの時間が、一般用のボタンを押したときと比べて長くなります。(約4秒→約10秒)
また、それだけではなく、扉の閉まるスピードが一般用のボタンを押したときよりも遅くなったり、車いす利用者が乗り降りしやすいように、エレベーターの出入り口の段差を自動で調整する機能もあります。
エレベーターでは、閉まりかけのドアに挟まれるなどの事故が発生することがあります。
そういった事故を未然に防ぐために、出入り口にあるセンサーが人や物を感知すると、ドアを開き、挟まれ事故を防いでくれます。
視覚障害者のために、発音ボタンと点字が設置されています。
発音ボタンは、行き先階ボタンを押したときに押せたことを知らせる音が「ピッ」と鳴ります。
点字は、ボタンの機能やエレベーターの案内を点字で表示しています。
オートアナウンス機能が搭載されているエレベーターもあります。
オートアナウンス機能では、エレベーターが停止した階数や移動する方向、ドアの開閉、満員になった場合などを音声で案内してくれるため、目の不自由な方でもエレベーターを安心して利用することが出来ます。
バリアフリー化が施されているエレベーターは、出入口のすき間が狭くなっています。
出入口のすき間を狭くすることによって、車いすやベビーカーなどの車輪の脱輪を防止し、乗り降りの安全性を高めることができます。
商業施設やオフィスビルなど、エレベーターが複数台ある建物も多くあります。
その場合、多くの建物では、車いす兼用エレベーターを効率的に利用できる仕組みが導入されています。
エレベーターが複数台ある場合、車いす利用者は車いすマークのボタンを押すことで、確実に車いす兼用エレベーターを呼び出すことができます。
例えば、10階建てのオフィスビルで、一般用エレベーター1台と車いす兼用エレベーター1台が設置されているとします。
一般用エレベーターは6階で待機中、車いす兼用エレベーターは2階で待機状態です。
5階から車いすマークのボタンを押した場合、距離的には遠い2階の車いす兼用エレベーターが優先されます。
では、一般の呼び出しボタンを押した後に、車いすマークのボタンを押した場合はどうなるのでしょうか。
答えは、両方とも5階に向かいます。
距離的に近い一般用エレベーターが先に5階に到着し、当然呼び出した人はこちらに乗ります。
その後に車いす兼用エレベーターが5階に到着しますが、呼び出した人はすでに一般用エレベーターに乗っているため、誰もいないということになります。
このように、両方のボタンを押してしまうと、無駄な階に止まる時間があることで、他の階で車いす兼用エレベーターを必要としてボタンを押した方が待たされてしまう可能性があります。
車いす用のエレベーターを必要としない場合は、両方のボタンを押すのを避けることで建物全体の輸送効率も上がります。
車いす兼用エレベーターは、バリアフリー化の象徴とも言える存在です。
車いす利用者だけでなく、高齢者や荷物が多い人など、多くの人にとって利便性の高い設備です。
近年では、エレベーターの技術革新が進み、車いす兼用エレベーターもより快適で使いやすく進化しています。
本記事では、車いす兼用エレベーターの基本的な知識から、利用方法、そしてエレベーターのバリアフリー化まで、幅広く解説しました。
車いす兼用エレベーターに関する理解を深め、誰もが安心して快適にエレベーターを利用できる環境を作るために、ぜひ意識して利用しましょう。