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昇降機の豆知識
マンションやオフィスビルに欠かせないエレベーター。
普段は当たり前のように使っていますが、その裏では設置メーカーや保守会社の選び方によって、長期的なコストが大きく変わることをご存じでしょうか。
実際、国内外には多くのエレベーターメーカーが存在し、シェア上位を占める企業にはそれぞれ特徴があります。
しかし「どのメーカーが強いのか」「シェアの高い会社を選べば安心なのか」「保守費用はどれくらい違うのか」といった疑問に直面すると、情報が多すぎて判断に迷う管理組合やオーナー様も少なくありません。
「なるべく信頼できるメーカーに任せたい」
「でも、できれば維持費も抑えたい」
そんな相反する気持ちを抱えている方は多いはずです。
そこで本記事では、国内外のエレベーターシェアランキングを整理し、主要5社の特徴をわかりやすく解説します。
Table of Contents
まずは、エレベーター業界の全体像を把握するために、最新のシェアランキングを見ていきましょう。国内市場と世界市場では、少し顔ぶれが異なります。
ご自身のマンションのエレベーターが、どのメーカーのものであるかを確認しながらご覧ください。
日本国内のエレベーター市場は、長年にわたり大手メーカーによる寡占状態が続いています。
一般社団法人日本エレベーター協会のデータによると、国内の昇降機(エレベーター・エスカレーター)の所有台数は約110万台にのぼり、そのうちの約9割を大手5社が占めていると言われています。
この5社で市場のほとんどを占めており、特に上位2社の三菱電機と日立製作所で全体の半数以上を占める、非常に強固な市場構造となっています。
世界に目を向けると、国内メーカーも健闘していますが、海外の巨大メーカーの存在感が際立ちます。
市場調査レポートによって順位は変動しますが、一般的に世界のトッププレイヤーは以下の企業です。
世界的には、「エレベーターの安全ブレーキ(落下防止装置)」の発明企業であるオーチスをはじめ、欧米のグローバル企業が大きな存在感を示しています。
これらの欧米メーカーに加え、日本の三菱電機や日立製作所、フジテックも世界市場で高い評価を得て、激しい競争を繰り広げています。
世界市場は、新興国の都市開発などを背景に、今後も拡大が続くと予測されています。
では、国内シェア上位5社は、それぞれどのような特徴を持っているのでしょうか。
各社の強みや個性を簡潔にご紹介します。
国内シェアNo.1を誇るトップメーカーです。高い技術力と品質に定評があり、特に乗り心地の滑らかさや静音性は業界でもトップクラス。
高級マンションからオフィスビル、公共施設まで、あらゆる場所で採用されています。
「とりあえず三菱を選んでおけば間違いない」と言われるほどの、強いブランド力を持っています。
社会インフラ全体を手掛ける総合電機メーカーとしての強みを活かし、エレベーターとビル管理システムを連携させるなど、先進的なソリューションを提供しています。
AIを活用した群管理システム(複数台のエレベーターを効率的に動かす仕組み)や、省エネ性能の高さも特徴です。
安定した品質と先進性で、三菱電機と並んで業界を牽引する存在です。
1960年代に国内でいち早く標準型エレベーターを開発・販売し、世界初の超高速エレベーターを開発するなど、高い技術力を持つ歴史あるメーカーです。
長年の実績に裏打ちされた信頼性と安全性が強み。特に、アジア市場での存在感が大きく、ランドマークとなるような超高層ビルへの納入実績が豊富です。
大手5社の中では、エレベーター・エスカレーター専業メーカーとして独自の地位を築いています。
特に、オーダーメイド対応に強く、デザイン性の高いエレベーターなどを得意としています。
海外展開にも積極的で、アジアや欧米でも大きなシェアを持っています。
世界シェアNo.1であるOTISの日本法人です。
「エレベーターの生みの親」とも言われる歴史と実績を持ち、世界基準の安全思想に基づいた製品開発が特徴です。
外資系ならではのグローバルな視点での製品開発が特徴です。
さて、ここまで業界のシェアや各メーカーの特徴を見てきました。
「うちのメーカーはシェア1位だから安心だ」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、マンションやビルのオーナー様にとって、本当に重要なのは、メーカーのシェアの大きさよりも、むしろその先にある「日々の維持管理」です。
ここでは、多くのオーナー様が見落としがちな、保守費用の問題に切り込んでいきます。
新築時にエレベーターを設置した場合、その後の保守契約は、ほとんどのケースで設置したメーカーの系列会社と結ぶことになります。
これは、いわば業界の慣習のようになっており、多くのオーナー様は他の選択肢を検討することなく、送られてくる請求書を支払い続けているのが実情です。
しかし、その保守費用、本当に適正価格でしょうか?
メーカー系の保守費用は、ブランドの信頼性や手厚いサポート体制を維持するため、高めに設定されている傾向があります。
ここで知っておくべきなのが、エレベーターの保守会社には「メーカー系」と「独立系」の2種類が存在する、ということです。
メーカー系保守会社 | 三菱電機ビルソリューションズや日立ビルシステムなど、エレベーターを製造したメーカーの系列会社。 自社製品に関する深い知識や純正部品による安心感が強み。 |
---|---|
独立系保守会社 | 特定のメーカーに属さず、独立してあらゆるメーカーのエレベーターの保守・点検を行う専門会社。 |
この2つの最大の違いは、価格競争の有無です。
メーカー系の場合、競争相手がいないため価格が高止まりしやすい傾向にあります。
一方で、独立系保守会社は、メーカーの垣根を越えた競争があるため、より適正で競争力のある価格を提示できるのです。
「メーカー以外の会社に任せて、本当に大丈夫?」そんな不安を感じるかもしれません。
しかし、信頼できる独立系保守会社を選ぶことは、安全性やサービス品質を維持、あるいは向上させながら、コストを大幅に削減できる、非常に賢い選択肢なのです。
メーカー系と独立系、それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。
メーカー系保守 | 独立系保守 | |
---|---|---|
メリット | ・純正部品の安心感 ・自社製品に関する深い知見 ・ブランドの信頼性 | ・料金が20~40%安い傾向 ・契約内容の柔軟性が高い ・全メーカー対応可能 |
デメリット | ・料金が高額な傾向 ・契約の縛りが厳しい場合がある | ・会社によって技術力に差がある ・最新機種の部品調達に時間がかかる場合も |
最大のメリットは、やはりコストです。
独立系に切り替えることで、年間の保守費用を15%~30%削減できたというケースも珍しくありません。
優良な独立系保守会社には、様々なメーカーの機種を熟知した、経験豊富な技術者が在籍しています。
メーカーの垣根を越えた知識と技術があるからこそ、そのエレベーターにとって本当に必要なメンテナンスを、適正な価格で提供できるのです。
また、オーナー様の予算や要望に応じて、契約内容を柔軟にカスタマイズできる点も、独立系ならではの大きな強みです。
では、どうすれば信頼できる優良な独立系保守会社を見つけられるのでしょうか。
以下の3つのポイントを必ずチェックしましょう。
独立系保守会社への切り替えを具体的に検討し始めると、さまざまな疑問や不安が浮かんでくるかと思います。
ここでは、オーナー様からよく寄せられる質問に対して、専門家として正直にお答えします。
A. はい、信頼できる優良な独立系保守会社を選べば、安全性はメーカー系と全く遜色ありません。
エレベーターの保守点検は、建築基準法などの法律でその基準が厳しく定められています。
優良な独立系保守会社は、これらの法令を遵守することはもちろん、メーカー出身の経験豊富な技術者が多数在籍していることも珍しくありません。
安全性は「会社のブランド」で決まるのではなく、「日々の点検をいかに確実に行うか」という品質で決まります。
むしろ、地域に密着した独立系の方が、より迅速で丁寧な対応をしてくれるケースもあります。
A. 国内の主要メーカー(三菱電機、日立、東芝、フジテック、オーチス)であれば、ほとんどの機種に対応可能です。
独立系保守会社の技術者は、日常的に様々なメーカーの機種を扱っているため、メーカーの垣根を越えた幅広い知識と技術を持っています。
ただし、設置されたばかりの最新鋭機種や、特殊な仕様のエレベーターについては、対応可否の確認が必要です。
ご自身のマンションのエレベーターのメーカーと機種名(かごの中に銘板があります)を伝えて、直接問い合わせてみるのが最も確実です。
A. 「独立系は部品が手に入らない」というのは、今ではほとんど当てはまらない、古い情報です。
確かに、メーカーが製造する「純正部品」はメーカー系が直接管理しています。
しかし、優良な独立系保守会社は、独自の部品供給ルートを確立しており、純正品と同等の品質を持つ「同等品」や、安全性が確認された「リフレッシュ品」などを安定的に確保しています。
日常的なメンテナンスや、一般的な修理で部品がなくて困るということはまずありませんので、ご安心ください。
A. はい、もちろんです。むしろ、独立系に依頼するメリットは大きいと言えます。
多くの独立系保守会社は、日々のメンテナンスだけでなく、大規模なリニューアル工事も得意としています。
メーカー系の場合、提案は自社製品への入れ替えが基本となります。
一方、独立系は特定のメーカーに縛られないため、お客様の予算や要望に応じて、複数のメーカーの製品から最も費用対効果の高いものを中立的な立場で提案することができます。
これは、独立系ならではの大きな強みです。
A. 一般的に、以下の流れで進みます。まずは気軽に相談してみましょう。
今回は、エレベーターのシェアランキングから、賢い維持管理コストの見直し方法までを解説しました。
この記事の最も重要なポイントを振り返ります。
毎月のエレベーター保守費用は、いわば「見直せる固定費」です。
「昔から付き合いのあるメーカーだから」と現状維持を続けるのではなく、一度立ち止まって比較検討してみることが、マンションやビルの資産価値を守るための第一歩となります。
私たちアイニチ株式会社は、特定のメーカーに属さない独立系の専門業者として、これまで数多くのオーナー様のコスト最適化と安全確保のお手伝いをしてまいりました。
「うちのマンションの保守費用、一度プロの目で診断してほしい」
「今の契約内容と比較して、どれくらい安くなるのか具体的な見積もりが欲しい」
そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。無理な営業は一切いたしません。
あなたのマンションにとっての「最適解」を、誠心誠意、一緒に考えさせていただきます。