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昇降機の豆知識
PLC(シーケンサ)は、工場の設備や機器の自動制御に欠かせない装置です。
最近では、電気製品や自動車、エレベーターなどにも導入されるようになり、私たちの生活のさまざまな場面で活躍しています。
本記事では、PLCの概要や種類、特徴など、基礎知識をわかりやすく解説します。
PLCという言葉の理解や導入に役立てていただけるよう、ぜひご覧ください。
目次
PLCは、programmable logic controller(プログラマブル・ロジック・コントローラー)の略称で、機械や設備などをプログラムによって自動制御する装置です。
人間でいう「頭脳」のような存在で、まるで指揮者のように、機械や装置に指示を与え、複雑な動きを制御することで、効率的な生産を実現します。
PLCは他の名称としてプログラマブルコントローラー(PC)、シーケンスコントローラー(SC)、シーケンサとも呼ばれていることがあり、特にシーケンサと呼ばれることが多いです。
理由としては、三菱電機が販売しているPLCの商品名がシーケンサで、国内シェアの半数近くを占めていることから広く普及し、PLC=シーケンサと呼ぶようになりました。
また、PLC(シーケンサ)は、私たちの生活にも密接に関わっています。
身近な家電製品から、自動車、エレベーター、遊園地、交通機関、食品工場など、様々な場面で活躍しています。
目に見えない存在ですが、PLC(シーケンサ)がなければ、現代社会の快適な生活は成り立たないのです。
工場や設備の自動化を支える「頭脳」PLC(シーケンサ)ですが、その種類は豊富で、それぞれ異なる特徴を持っています。
ここからは、代表的な2種類のPLC、パッケージタイプとビルディングタイプ(ブロックタイプ)について、それぞれの特徴を詳しく解説します。
初めてPLCを導入する方や、小規模なシステムに最適なのが、パッケージタイプのPLCです。
パッケージタイプのPLCは、必要な機能がすべて揃っているので、すぐに使い始められます。
また、コンパクトで設置スペースも小さいため、小規模な設備に最適です。
一方で、拡張性に欠けるというデメリットがあります。
システムの規模が大きくなったり、複雑な機能が必要になったりした場合には、対応できない可能性があります。
拡張性と柔軟性を求められる大規模なシステムには、ビルディングタイプ(ブロックタイプ)のPLCがおすすめです。
ビルディングタイプ(ブロックタイプ)のPLCは、必要な機能に合わせて、CPU、電源、入出力ユニットなどを個別に組み合わせて構成できます。
そのため、大規模なシステムや複雑な機能が必要なシステムにも対応可能です。
ただし、パッケージタイプに比べて、配線や設定が複雑になるというデメリットがあります。
また、必要なユニットを個別に購入する必要があるため、コストも高くなります。
PLC(シーケンサ)の内部は、まるで精巧な機械仕掛けのように、様々な部品が緻密に連携しています。
ここからは、PLC(シーケンサ)の主要な構成要素である、CPU部、メモリ部、電源部、入力部、出力部の5つについて、それぞれの特徴と役割を詳しく解説します。
CPU部は、PLC(シーケンサ)の中核を担う頭脳です。
プログラムを読み込み、演算処理を行い、各部に指示を送ります。
処理速度やメモリ容量、演算能力は、PLC(シーケンサ)の性能を左右する重要な要素です。
メモリ部は、PLC(シーケンサ)が動作するために必要なプログラムやデータを記憶する倉庫です。
プログラムやデータを記憶することで、PLC(シーケンサ)の連続的な動作を可能にします。
バックアップメモリは、停電などのトラブル発生時もデータを保持するため、重要な役割を果たします。
電源部は、PLC(シーケンサ)各部に電力を供給する心臓です。
PLC(シーケンサ)の安定稼働を支える重要な役割を担っています。
停電などのトラブル発生時も、バックアップ電源によって安定した電力を供給することで、動作の継続を可能にします。
入力部は、スイッチやセンサーなどから入力信号を受け取り、PLC(シーケンサ)に伝える五感のような役割を果たします。
外部の状況を正確に把握し、PLC(シーケンサ)に伝えることで、適切な動作を実現します。
出力部は、PLC(シーケンサ)から指示を受け、モーターやバルブなどの機器を制御します。
PLC(シーケンサ)の指示を現実世界に反映し、機械や設備を動かします。
PLC(シーケンサ)は、これらの要素が有機的に連携することで、複雑な制御を実現しています。
それぞれの役割を理解することで、PLC(シーケンサ)の仕組みをより深く理解することができます。
PLC(シーケンサ)は、制御盤の中に設置されているため普段見かけることがありませんが、使用される場面は数多くあります。
タッチパネルやスイッチ、ランプ、モーターなどと配線されており、PLCを用いることによって簡単な運転や停止だけの動作制御や条件に応じた複雑な制御も可能です。
PLC(シーケンサ)は、工場や設備だけでなく、私たちの生活の身近な場所でも、多くの機械や設備でPLC(シーケンサ)が活躍しています。
例えば、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品や電車、バス、自動車などの交通機関。
さらにはエレベーター、自動販売機、信号機、遊園地など身近な場所でさまざまなものに使われています。
このように、PLC(シーケンサ)は、私たちの生活のあらゆる場面で活躍している縁の下の力持ちです。
今後、PLC(シーケンサ)は、IoTやAIなどの技術と融合することで、さらに進化していくことが期待されています。
さまざまな場面で使われているPLC(シーケンサ)ですが、導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、PLC(シーケンサ)を導入するメリットについて見ていきましょう。
PLCは、従来のリレー回路と比べて部品点数が少なく、故障率が低いため、保守コストを大幅に削減できます。
また、プログラム変更が容易なため、設備の改造や修理にかかる時間も短縮できます。
PLCは、精密な制御によって機械の動作を正確にコントロールするため、製品の品質向上に貢献します。また、自動化による作業時間の短縮と人為的ミスの減少により、生産量増加にもつながります。
PLCは、従来のリレー制御盤に比べて、PLCは小型でありながら高機能です。
そのため、制御盤のスペースを大幅に削減することができます。
PLCは、プログラムによって制御を行うため、回路設計や動作の変更が容易です。
これにより、生産ラインの変更や追加に柔軟に対応することが可能となります。
PLC(シーケンサ)はプログラミングで働くコンピュータです。
しかし、その周辺には、聞き慣れない専門用語が数多く存在します。
ここからは、PLC(シーケンサ)と関連してよく使用される用語について、初心者にもわかりやすく解説します。
シーケンス制御とは、あらかじめ決められた手順で、自動的に動作を制御する方法です。
シーケンス制御は、私たちの身近な家電製品にも数多く使われています。
例えば、洗濯機を思い浮かべてみましょう。
洗濯物を入れてスタートボタンを押すと、給水→洗い→すすぎ→脱水と、順番通りに洗濯工程が自動で進みます。
蓋が開いている場合や、水道から水が出ていない場合は、エラーとなり、洗濯が途中で止まり、アラームで知らせてくれます。
このように、シーケンス制御は、決められた順序で動作を繰り返し、正確な動作を実現する制御方法です。
PLC(シーケンサ)は、プログラムによって動作します。
代表的なプログラミング方式は、以下の4つです。
ラダー方式は、まるで梯子(ラダー)を登るように、ステップごとに動作を積み重ねていく制御方法です。
電機回路の基礎理論を活かした分かりやすい方式で、初心者にも取り組みやすいのが特徴です。
プログラムは、梯子状の図形で表されます。
各段は横棒で繋がれており、まるで梯子の段差のように、上から下へ順に動作が実行されます。
横棒には、スイッチやリレーなどの制御要素が配置され、条件に応じて入出力信号を伝達します。
ラダー方式は、分かりやすく使いやすい制御方法ですが、複雑な制御には対応できません。
そこで生まれたのが、ステップラダー方式です。
ステップラダー方式は、ラダー方式に条件分岐のステップを追加することで、より高度な制御を実現します。
フローチャート方式は、まるで地図のように、プログラムの流れを視覚的に表現する方法です。
四角形や矢印などの記号を使って、一連の操作や判断をわかりやすく描き出すことができます。
プログラムの進行に応じて、さまざまなタスクを組み合わせることが可能。
複雑な制御も、フローチャート方式なら簡単に理解できます。
SFC方式は、まるで漫画のように、制御の順序を視覚的に表現する方法です。
ステップとトランジションと呼ばれる図形を使って、プログラムを分かりやすく描き出すことができます。
ステップラダー方式と同様に、条件分岐やループなどの機能も備えています。
複雑な制御も、SFC方式なら短時間でプログラムできます。
この記事では、PLC(シーケンサ)の基本的な概念から、その種類と特徴、構成、使用されている機械や設備、導入のメリット、そして関連用語まで、幅広くカバーしました。
PLC(シーケンサ)は、現代社会を支える重要な技術です。
この記事を参考に、PLC(シーケンサ)に関する知識を深め、ぜひ使いこなしてください。