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昇降機の豆知識

投稿日 2025/05/15
更新日 2025/05/23

SUS430とは?成分・比重・錆・用途まで徹底解説

SUS430とは?成分・比重・錆・用途まで徹底解説

「SUS430について詳しく知りたいけれど、専門用語が多くて難しそう…」
「自社の製品開発や部品選定でSUS430を検討しているけど、本当に適しているのだろうか?」

ステンレス鋼の一種であるSUS430は、コストと性能のバランスから多方面で活用されていますが、その特性やSUS304との違い、適切な用途を正確に理解することが重要です。

この記事では、SUS430とは何か、その基本情報から成分、比重、気になる錆の問題(耐食性)、主な用途、そして代表的なSUS304との違いを徹底解説します。

SUS430とは?まず押さえたい基本情報

まずは、SUS430を理解する上で欠かせない、定義やJIS規格、化学成分、金属組織といった基本情報を解説します。

SUS430の定義とJIS規格

SUS430は、JIS(日本産業規格)で定められたステンレス鋼の一種です。JISは日本の産業製品の品質や安全性を保つ基準で、SUS430は「JIS G4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)」などに規定されています。

一般的に「18クロムステンレス」とも呼ばれ、約18%のクロム(Cr)を含む代表的なフェライト系ステンレス鋼です。「フェライト系」とは、鉄と同様の原子配列(体心立方格子構造)を持つステンレス鋼で、この構造が「磁石につく」「熱処理で硬化しにくい」といった特徴に繋がります。主成分は鉄(Fe)で、クロム添加により優れた耐食性(錆びにくさ)を持ちます。

SUS430の化学成分とその役割

SUS430の特性は化学成分によって決まります。主要成分と役割は以下の通りです。(JIS G4305より)

成分記号成分名代表的な含有率の目安 (%)主な役割・影響
C炭素0.12以下硬さ・強度に影響。過多は耐食性・靭性低下。
Crクロム16.00~18.00耐食性向上の最重要元素。不動態皮膜を形成。
Niニッケルほぼ含まず。コストや特性に影響(SUS304との違い)。
※上記以外にSi(ケイ素)、Mn(マンガン)、P(リン)、S(硫黄)なども規定量含まれます。

特筆すべきは、SUS430がニッケル(Ni)をほとんど含まない点です。ニッケルはSUS304(オーステナイト系)の主要成分で耐食性等を高めますが比較的高価です。SUS430がニッケルレスであることはコストを抑える大きな要因です。

SUS430の金属組織と基本的な特徴

前述の通り、SUS430は金属の原子の並び方が「フェライト組織」を主体としています。このフェライト組織(鉄と同じような原子の並び方)が、SUS430の以下のような基本的な特徴を生み出しています。

  • 磁性を持つ(強磁性): 鉄と同様に磁石にくっつきます。SUS304(基本的には非磁性)との大きな違いです。
  • 熱処理による硬化がほとんどない: 「焼入れ」で硬くはできませんが、力を加えると少し硬くなる「加工硬化」性は持ちます。
  • 比較的安価: 主材料が鉄とクロムで高価なニッケルを含まないため、ステンレス鋼の中でも安価です。
  • 良好な加工性: 特に板の曲げや深絞りといったプレス加工性に優れます。
  • SUS304に比べると耐食性は劣る: 塩分が多い場所や酸性環境ではSUS304より錆びやすい傾向があります。

これらの基本的な特徴を頭に入れておくと、SUS430がどのような製品や部品に向いているのか、また取り扱う上でどのような点に気をつければ良いのかが、より深く理解できるようになります。

SUS430の重要な特性:耐食性・磁性・加工性を徹底解剖

SUS430がどのような材料なのか、基本的な概要を掴んでいただいたところで、次にその重要な特性である「耐食性」「磁性」「機械的性質」「物理的性質」、そして「加工性」について、より詳しく見ていきましょう。これらの特性を理解することは、SUS430を適切に選定し、活用する上で不可欠です。

耐食性について – SUS430は錆びやすい?

SUS430は約18%のクロムを含み、表面に強固な「不動態皮膜」という透明な保護膜を自動的に作ります。この膜が酸素や水分との接触を防ぎ錆を抑制し、傷ついても自己修復します。そのため、一般的な屋内環境では良好な耐食性を示し、簡単には錆びません。

しかし、万能ではありません。特に以下の環境では注意が必要です。

  • 塩化物環境: 海岸近くの潮風や融雪剤の塩分で不動態皮膜が破壊されやすく、孔食(点状の錆)や隙間腐食(部材の隙間で発生する錆)が生じやすくなります。
  • 酸性環境: 強酸性の液体やガスで不動態皮膜が溶解し、全面腐食の可能性があります。

SUS304と比較すると、ニッケルを含むSUS304の方が強固な不動態皮膜を形成しやすいため、一般的にSUS430の耐食性は劣ります。特に塩化物イオンへの耐性や非酸化性酸への耐性はSUS304が優れます。

錆びを防ぐポイント:

  • 屋内など穏やかな環境での使用を基本とする。
  • 定期的な清掃で表面の汚れや塩分を除去する。
  • 異種金属との接触を避ける(もらい錆防止)。

磁性 – SUS430は磁石につく?

SUS430の大きな特徴は「磁性を持つ」ことです。フェライト組織のため強磁性を示し、磁石にくっつきます。これはSUS304(基本的には非磁性)との明確な違いで、材料判別やIH調理器具の鍋底材、マグネットが付くキッチンパネルなどに活用されます。逆に磁気を嫌う精密機器周辺では影響を考慮する必要があります。

機械的性質 – 強度、硬度、延性

SUS430の機械的性質は、材料がどれくらいの力に耐えられるか(強度)、どれくらい硬いか(硬度)、どれくらいしなやかに変形できるか(延性、ねばり強さ)を示す重要な指標です。代表的な機械的性質の目安を以下に示します(JIS G4305に規定される、焼なまし状態の値)。

機械的性質代表的な数値の目安説明
耐力 (N/mm²)205以上材料が「もう元には戻れない」と永久に変形し始める力の強さ。この値が大きいほど、変形しにくい材料と言えます。
引張強さ (N/mm²)450以上材料を引っ張っていったときに、最終的にプチっと切れてしまう(破断する)までに耐えられる最大の力の強さ。
伸び (%)22以上材料が切れてしまうまでに、元の長さからどれだけ伸びることができるかを示す割合。大きいほど粘り強い材料です。
硬さHV200以下、HRB92以下、HBW183以下 (参考値)材料の表面の硬さ。数値が大きいほど硬いことを示します。HV、HRB、HBWは硬さ試験方法の種類です。

SUS430は炭素鋼より高強度・高硬度ですが、SUS304と比較すると引張強さや伸びはやや劣ります。耐力は同等か若干高い場合もあります。熱処理硬化はしませんが、冷間加工で強度向上(加工硬化)します。

物理的性質 – 比重、熱伝導率、熱膨張係数

製品を設計する上で重要となるSUS430の物理的性質(重さや熱の伝わりやすさなど)の代表的な値を以下に示します。

物理的性質代表的な数値の目安備考・解説
比重 (g/cm³)7.70同じ体積あたりの重さ。水の約7.7倍の重さです。SUS304 (約7.93) よりほんの少し軽いです。製品の軽量化に繋がります。
熱伝導率 (W/m・K)25.9 (100℃)熱の伝わりやすさ。数値が大きいほど熱が伝わりやすいです。SUS304 (約16.3) より熱を伝えやすいため、鍋底材などに適しています。
線膨張係数 (×10⁻⁶/K)10.4 (0~100℃)温度が1℃上昇したときに、どれだけ長さが伸びるかを示す割合。SUS304 (約17.3) より小さいです。

特に「線膨張係数が小さい」ことは、SUS430のメリットの一つとして挙げられます。これは、温度が変化しても寸法が変わりにくい(伸び縮みしにくい)ということを意味します。例えば、温度変化が大きい場所で使われる部品や、異なる材料を組み合わせる際に、それぞれの材料の伸び縮みの差が大きいと部品同士に隙間ができたり、逆に押し合って歪んだりすることがありますが、線膨張係数が小さいSUS430はそのような問題が起きにくいと言えます。精密な寸法精度が求められる部品にも有利です。

加工性 – 曲げ、深絞り、切削、溶接

SUS430は、ステンレス鋼の中では比較的加工性が良好な材料とされています。つまり、様々な形に加工しやすいということです。

曲げ加工・深絞り加工

SUS430は延性(粘り強さ)に優れており、特に板を折り曲げる「曲げ加工」や、一枚の金属板からお椀やコップのような深い容器状の製品を作り出す「深絞り加工」に適しています。このため、複雑な形状のプレス部品や、キッチンのシンク(安価なもの)、調理器具などに広く利用されています。SUS304と比較しても、深絞り性に関してはSUS430の方が優れていると言われることもあります。

切削加工

SUS430をドリルで穴を開けたり、旋盤で削ったりする「切削加工」は、オーステナイト系のSUS304と比較すると、切りくずが細かく分かれやすく、一般的に加工しやすい(良好)とされています。ただし、普通の鉄(炭素鋼)と比較すると粘りがあるため、工具の刃先が摩耗しやすくなる傾向があります。

そのため、切削速度や送り速度(刃物を進める速さ)を適切に選び、切削油(加工をしやすくし、工具を冷やす油)を使用することが重要です。工具の材質としては、高速度工具鋼(ハイス)や、より硬い超硬合金などが用いられます。

溶接性とその注意点

SUS430同士を溶かして接合する「溶接」は可能ですが、いくつかの注意点があり、SUS304に比べるとやや難しいとされています。

  • 475℃脆性: 約400~500℃での長時間加熱で硬く脆くなる現象。溶接部の靭性が低下し割れやすくなります。
  • σ(シグマ)相脆化: 約600~800℃での長時間加熱で硬く脆いσ相が析出し、靭性・耐食性が低下。
  • 溶接部の結晶粒粗大化: 高温加熱で結晶粒が大きくなり、靭性が低下。
  • 粒界腐食のリスク: 溶接熱影響部でクロム炭化物が粒界に析出し、周辺のクロム濃度が低下、耐食性が局部的に低下し錆びやすくなる現象。

これらの問題を軽減し、できるだけ良好な溶接部を得るためには、以下のような対策が推奨されます。

  • 溶接後の熱処理
    溶接後に、約750~800℃程度に加熱してから急冷する「焼なまし」という熱処理を行うことで、ある程度は粘り強さを回復させることができますが、完全に元の状態に戻るわけではありません。

  • 入熱量(にゅうねつりょう)の抑制
    溶接時に加える熱エネルギーの量をできるだけ少なくするため、低い電流で、手早く溶接を完了させることが望ましいです。

  • 予熱・パス間温度管理
    溶接前に母材(溶接される材料)をあらかじめ100~200℃程度に温めておく「予熱」を行うことで、急激な温度変化による割れを防ぎ、粘り強さの低下をある程度抑えることができます。また、何層にも重ねて溶接する場合(多層盛り溶接)は、一層ごとの温度(パス間温度)が上がりすぎないように管理することも重要です。

  • 適切な溶接材料の選定
    SUS430専用の溶接棒や溶接ワイヤ(例:JIS規格で定められたYS430など)を使用します。場合によっては、溶接部の粘り強さを改善するために、ニッケルを含むオーステナイト系の溶接材料(例:SUS309系)が用いられることもあります。

SUS430のメリット・デメリットまとめ

ここまでSUS430の様々な特性を見てきましたが、ここで改めてそのメリット(良い点)とデメリット(注意すべき点)を整理してみましょう。実際に材料を選ぶ際には、これらの長所と短所を総合的に比較検討することが非常に重要です。

SUS430を採用する主なメリット

  • 価格が安価: ニッケル非含有のため、材料コストを抑制可能。
  • 良好な加工性: 特に曲げ・深絞り性に優れ、複雑形状の成形が容易。
  • 良好な耐熱性、耐酸化性: ある程度の耐熱性を有す。
  • 熱膨張係数が小さい: 温度変化による寸法変化が少ない。
  • 応力腐食割れに対する感受性が低い: フェライト系の特徴。
  • 磁性を利用できる: IH調理器具などに活用。

SUS430の注意すべきデメリットと対策

  • 耐食性がSUS304に劣る: 特に塩化物環境や酸性環境では錆びやすい。対策:使用環境の選定、清掃、表面処理。
  • 溶接部の靭性・耐食性が低下しやすい: 脆化現象に注意。対策:適切な溶接条件、入熱管理、溶接後熱処理。
  • 高温強度がSUS304に劣る: 高温での高い強度が求められる用途には不向き。

これらのメリット・デメリットを正しく理解し、製品が使われる場所(使用環境)、求められる性能(強度や耐食性など)、そして許容されるコストなどを総合的に比較検討することが、最適な材料を選ぶための鍵となります。

【徹底比較】SUS430とSUS304の違いとは?

ステンレス鋼の中でも特に汎用性が高く、よく使われるのがSUS304です。そして、今回詳しく解説しているSUS430もまた、非常にポピュラーなステンレス鋼です。この二つの材料は、見た目は似ていても、特性や適した用途、価格帯が異なるため、どちらを選ぶべきか迷うことも少なくありません。ここでは、SUS430とSUS304の違いを明確に意識し、両者の違いを様々な角度から徹底的に比較します。

項目SUS430 (フェライト系)SUS304 (オーステナイト系)
主要成分約18%Cr (Niほぼ無)約18%Cr – 約8%Ni
金属組織フェライトオーステナイト
磁性あり (強磁性)基本的にはなし 
(加工で帯磁あり)
熱処理硬化ほぼしないしない (加工硬化は著しい)
耐食性△ (屋内向け)◎ (汎用的に優れる)
加工性(プレス)◎ (深絞り性良好)〇 (加工硬化あり)
溶接性△ (脆化注意)
価格安価比較的高価
主な用途例厨房機器(内装)、家電、建築内装、IH底板厨房機器(シンク)、建築外装、配管、食品設備

使い分けのポイント

  • 耐食性: 高い耐食性が必要ならSUS304。屋内など軽度ならSUS430。
  • 加工性: 複雑なプレス加工でコスト重視ならSUS430。高い延性・溶接性ならSUS304。
  • コスト: コスト最優先ならSUS430。ライフサイクルコスト考慮ならSUS304が有利な場合も。
  • 磁性: 磁性が必要ならSUS430。

このように、どちらの材料が「良い」「悪い」ということではなく、それぞれの特性を理解し、製品に求められる性能、加工方法、使用環境、そして最も重要なコストを総合的に比較検討して、最適な材料を選ぶことが大切です。もし迷った場合は、材料の専門家や、私たちのような製品への応用知識を持つ企業にご相談いただくことをお勧めします。

関連記事:SUS304とSUS430の意味や特徴の比較、ステンレスの用途の違いについて解説!

SUS430の主な用途と昇降機での活用事例

SUS430は、その特性とコストパフォーマンスの良さから、私たちの身の回りの様々な製品に使われています。ここでは、一般的な用途とアイニチ株式会社の専門分野である昇降機での活用例を解説します。

一般的なSUS430の用途例

SUS430がその特性を活かして活躍している主な分野と、具体的な製品例は以下の通りです。それぞれの製品でSUS430が選ばれる理由も合わせて見ていきましょう。

  • 厨房機器: ガスコンロ部品、レンジフード本体、業務用冷蔵庫内装、安価なシンク、IH対応鍋底。
  • 家電製品: 洗濯機ドラム、冷蔵庫ドアパネル、電子レンジ庫内。
  • 建築内外装: 建築内装材、屋根材(穏やかな環境)、建具。
  • 自動車部品: マフラーカッター、内外装トリム。
  • その他: ボルト・ナット類(軽耐食)、熱交換器部品。

これらの用途に共通しているのは、多くが屋内または比較的穏やかな環境で使用されること、製品全体のコストが重視されること、そしてSUS430の良好な加工性(特にプレス加工性)や磁性といった特性がうまく活かされている点です。

昇降機(リフト・エレベーター)におけるSUS430の活用事例

昇降機のどの部分にSUS430が使われるか?(あるいは使えるか?)

昇降機の部品には、何よりもまず安全性が求められ、それに加えて耐久性、使いやすさ、そして見た目の美しさ(意匠性)、さらにはコストなど、様々な要素が複雑に絡み合って要求されます。SUS430は、これらの要求バランスを慎重に考慮した上で、以下のような部分での活用が考えられます。

  • 意匠性が求められる内装パネル
    • かご室内の壁パネル(特に人の出入りがそれほど激しくなく、常に乾燥した環境で、清掃の頻度もそれほど高くない場合)
    • 操作盤の化粧パネル(ボタン周りなど、直接的な接触が比較的少ない部分)
    • 三方枠(ドアの周囲の枠)やドアの表面材(ただし、人の手が頻繁に触れる場所や、結露の可能性がある場所、清掃で水拭きを多用する場所では、より耐食性の高いSUS304が望ましいことが多いです)
  • 直接的な荷重がかからない部分のカバー類
    • 機械室内に設置される制御盤やモーターなどの機器カバー
    • 配線などをまとめるダクトのカバー
  • 湿気や結露の影響が比較的少ない内部構造部品
    • かごの骨組みの一部(ただし、強度計算と設置環境の湿度などを十分に考慮する必要があります)
    • 各種センサーやスイッチを取り付けるためのブラケット(取り付け金具)類
  • 敷居(しきい)
    • 「敷居」とは、昇降機の乗り場の床と、かごの床との間にある、ドアの下の溝状の部分(シルとも言います)のことです。荷物用リフトなどで、見た目の美しさよりもコストを重視する場合にSUS430が検討されることがありますが、台車や荷物が擦れることによる摩耗や、清掃時の水分などを考慮すると、一般的には耐摩耗性や耐食性に優れるSUS304(特に表面に細かい筋目が入ったHL仕上げなど)が有利です。

昇降機部品としてSUS430を選ぶメリット

  • コスト削減効果: 特に意匠パネルなど使用面積が大きい部品で効果大。
  • 加工のしやすさ: 複雑形状の部品製造が比較的容易。

昇降機部品としてSUS430を選ぶ際の注意点・課題

  • 設置環境に応じた耐食性の検討: 湿度、温度、腐食性ガスを考慮。清掃頻度が高い箇所はSUS304以上推奨。
  • 意匠面での光沢や仕上げの維持: 指紋や汚れが付きやすい傾向。適切な仕上げと清掃が重要。
  • 振動や衝撃に対する耐久性: 靭性がSUS304に劣るため、固定方法や板厚に注意。

まとめ

この記事では、SUS430とは何か、その基本的な情報から始まり、成分、比重、気になる耐食性(錆の問題)、主な用途、そして代表的なステンレス鋼であるSUS304との違いに至るまで、できるだけ分かりやすく幅広く解説してきました。

SUS430の重要なポイントを改めてまとめると以下のようになります。

  • 鉄に約18%のクロムを添加した、フェライト系ステンレス鋼の代表的な種類です。
  • 高価なニッケルを含まないため、ステンレス鋼の中では比較的安価に入手できます。
  • 鉄と同じように磁石につく(強磁性)という大きな特徴があります。
  • 板を曲げたり絞ったりするプレス加工性が良好です。
  • 耐食性はSUS304に劣りますが、キッチンなどの屋内や比較的穏やかな環境では十分な性能を発揮します。
  • 溶接する際には、特定の温度で材質が脆くなる「脆化(ぜいか)」に注意が必要です。
  • 主な用途は、厨房機器、家電製品、建築物の内装、自動車部品など、多岐にわたります。

SUS430は、その特性を正しく理解し、メリットとデメリットをしっかりと考慮した上で適切に使用すれば、コストパフォーマンスに優れた非常に有用な材料です。しかし、その特性を無視して誤った選定や使い方をしてしまうと、期待した性能が得られなかったり、早期に錆びてしまったりといった問題が発生する可能性もあります。

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