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昇降機の豆知識
エレベータ―を安全に使用するためには、保守点検・メンテナンスに管理費(管理コスト)がかかります。
この管理費はメンテナンスの契約種別や、メーカー系メンテナンス会社か独立系メンテナンス会社に依頼するのかでも異なります。
本記事では、エレベーターの保守点検費用相場や管理費削減のポイントを解説いたします。
保守契約を見直すことで、エレベーターの安全性と信頼性を保ちつつ、管理費削減を実現できるかもしれません。
また、併せてメンテナンスの契約種別ごとにどのような方がオススメなのかもご紹介いたします。
目次
エレベーターは「性能維持」と「安全保持」を目的として、年に1回の法定点検が義務づけられています。
これは建築基準法第8条にて定められています。
(維持保全)
出典:建築基準法
第八条 建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
さらに一般的には1ヵ月に1回程度、任意の定期点検も行われているケースが多いです。
エレベーターの耐用年数は25~30年と言われていますが、定期的なメンテナンスを行うことによって、より長い期間利用することが可能になります。
定期的な保守点検はエレベーターを長く安全に利用するためにも重要です。
エレベーターの保守点検は、部品の状況や動作確認を実施し、正常に運行できるかをチェックします。
安全に稼働ができない恐れがある場合、清掃、部品交換、機器調整、注油、消耗品の交換・補充等を行います。
主な点検内容は以下になります。
エレベーターは数多くの部品で構成されています。
劣化具合は使用頻度や使用環境等によっても異なる為、専門知識を有した技術者の点検が必要不可欠です。
エレベーターの保守点検の契約形態には、「POG契約」と「フルメンテナンス契約」の2種類があります。
POG契約 | フルメンテナンス契約 | |
保守範囲 | 定期点検、清掃、部品調整、 注油、メンテナンス、消耗部品の交換 | 部品交換や修理費用など全て |
別途費用 | 部品交換、修理費用 | なし |
契約料金 | 安い | 高い |
エレベーターの管理コストを削減したい場合、どちらを選ぶべきかの判断基準をご紹介していきます。
以下に当てはまる場合、POG契約の方が管理コストを削減できる可能性があります。
築年数が浅い建物の場合は、修理や部品交換などが必要になる頻度が低くなります。
そのためPOG契約の保守範囲内で対応可能になるケースが多くなることから、管理コスト削減にはPOG契約がオススメです。
エレベーターの使用頻度が低い建物の場合も、故障の頻度が比較的少ないので修理費用はそれほどかからない可能性が高いでしょう。
そのためフルメンテナンス契約よりも保守費用が安いPOG契約の方が、管理コストを抑えられます。
修理が必要な場合でも個別で交渉するのが苦ではないというオーナーであれば、築年数に限らずPOG契約でも管理費を抑えられる可能性が高いでしょう。
以下に当てはまる場合、フルメンテナンス契約の方が管理コストを削減できる可能性があります。
築年数が古い建物の場合は、エレベーターの不具合や故障、部品の劣化による交換等が増える傾向にあります。
そのため修理や部品交換も保守範囲に含まれるフルメンテナンス契約にしたほうが総合的に管理コスト削減になる可能性が高いでしょう。
戸数が多い建物は、戸数に比例してエレベーターの使用頻度も高くなります。
使用する頻度が高くなると、その分部品の劣化も進みやすくなり、修理や部品交換の回数も増えてしまいます。
そのためPOG契約で都度修理や部品交換費用を負担するよりも、結果としてフルメンテナンス契約の方が割安となることが多いでしょう。
複数のマンションやビルを経営している場合や、仕事が忙しくて時間が取れないオーナーの場合、全てを統括して一任ができるため、管理をする際の手間を省くことができるフルメンテナンス契約がオススメになります。
エレベーターの保守点検費用は、業者の種類によっても異なります。
メンテナンス会社の種類には以下の2種類があります。
元々はメーカー系のメンテナンス会社しか点検ができない状況でしたが、1993年7月30日に大阪高裁にて独立系メンテナンス会社への部品供給義務が認められるようになりました。
それ以来、独立系のメンテナンス会社も登場しはじめ、高止まりだった保守点検費用が改善されました。
今後自身にあったメンテナンス会社の選ぶことによって保守点検費用を削減できる可能性が高くなります。
メーカー系の保守点検費用相場です。
POG契約 | フルメンテナンス契約 |
月額3万円~5万円 | 月額4万円~6万円 |
※エレベーターの機種によっても費用は変動するので、詳しくはメンテナンス会社に確認が必要です。
独立系の保守点検費用相場です。
POG契約 | フルメンテナンス契約 |
月額1.5万円~ | 月額3万円~ |
※エレベーターの機種によっても費用は変動するので、詳しくはメンテナンス会社に確認が必要です。
独立系の保守点検費用は、メーカー系に比べて3~5割ほど安くなる場合があります。
そのため、エレベーターの保守点検費用を抑えたい方は、独立系をオススメします。
ここでは、エレベーターの保守点検費用を削減するためのポイントをいくつか解説します。
前述の通り、管理コストの削減が目的の場合、独立系のメンテナンス会社を選んで間違いはありません。
しかし安かろう悪かろうではないか、と大手のメーカー系ではない独立系のサービス品質に不安を感じる方もいらっしゃいます。
ですが近年、独立系メンテナンス会社による事故は発生しておらず、シェアも年々伸ばしています。
メンテナンス会社の選び方さえ失敗しなければ、安心して任せることができ、保守点検費用の削減を実現できるでしょう。
明確に管理コストを削減できる独立系。
それでもなおメーカー系を選ぶメリットはあるのでしょうか。
メーカー系には独立系とは違い以下のようなメリットがあります。
独立系はメーカー系に比べると、どうしても営業所が少なくなります。
そのため緊急時の対応スピードにも違いが出てくるでしょう。
保守点検時はエレベーターが使えなくなることを考えると、対応スピードの遅れが命取りになる場合もあります。
独立系メンテナンス会社を選ぶときの注意点としては、以下のようなものがあります。
エレベーターが故障したときは、基本的に緊急を要しています。
そのため「営業所までの距離」は確認しておくことをオススメします。
当然ですが、営業所までの距離が近ければ、緊急時の連絡から到着まで早くなるでしょう。
また、災害時でもスピーディーに対応してもらえるかどうか見極めるのが重要です。
独立系メンテナンス会社はメーカー系とは違い、基本的にどこのメーカーのエレベーターでも保守対応を行います。
業者によってはあまり部品の在庫を保有していない場合もあります。
いざという時に部品が欠品しているということがないよう、部品の在庫状況は確認しておきましょう。
信頼できるメンテナンス会社を選ぶために、技術やサービス内容を確認しましょう。
エレベーターの故障や災害時などの緊急時の対応が一刻を争う事態になる可能性があります。
メンテナンス会社の導入実績などを確認し信頼できる会社か判断することをオススメします。
エレベーターは、建築物と同一で長期にわたり利用される建築設備です。
そのため適正な修繕を繰り返し行うことが重要です。
しかし継続的なメンテナンスを施したとしても、経年劣化を完全に防ぐ術はありません。
エレベーターもいつかは必ず老朽化するため、劣化した部材などをリニューアルする必要性があります。
またエレベーターの更新・リニューアルには大きな費用がかかります。
しかし更新せずに使用し続けるとメンテナンス費用は高くなり、事故発生のリスクも増えることになります。
そのため、いかに適切なタイミングで更新できるかが大事と言えるでしょう。
こちらの記事にて、リニューアルの最適なタイミングについて記載していますので参考にしてみてください。
参考記事:エレベーターの耐用年数とリニューアルの時期・種類について解説