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昇降機の豆知識

投稿日 2025/04/18
更新日 2025/04/24

万能素材SUS304とは?他のステンレス鋼との違いや特徴・用途を徹底解説

万能素材SUS304とは?他のステンレス鋼との違いや特徴・用途を徹底解説

「ステンレス鋼」という製品には、実はさまざまな種類のステンレス鋼があることをご存知でしょうか。その中でも、SUS304(ステンレス304)は最も広く使用されているタイプで、キッチン用品や建材、医療機器など、さまざまな分野で利用されています。フライパンや水筒、さらにはエレベーターの内装などにも実は「ステンレス304」という素材が使われています。

この記事では、最も代表的なステンレス鋼であるSUS304の基本情報から特徴、他のステンレス鋼との違い、適した用途まで徹底解説します。

SUS304とは?

SUS304は、オーステナイト系ステンレス鋼の一種で、主成分として約18%のクロム(Cr)と8%のニッケル(Ni)を含んでいます。このステンレス鋼は、耐食性と加工性に優れ、最も広く使用されているタイプのステンレス鋼です。SUS304はその優れた特性により、日常生活から産業用途まで幅広い製品に使用されています。

SUS304とJIS規格について

JIS規格(日本工業規格)は、日本の技術標準であり、材料の化学成分や機械的特性について詳しく定めています。SUS304の場合、JIS規格では、化学成分と技術的特性が明確に定義されており、SUS304がどのような基準を満たすべきかが示されています。

JIS G 4303(ステンレス鋼棒)、JIS G 4304(熱間圧延ステンレス鋼板)、JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板)などの規格に従い、SUS304は次の主要な成分を含んでいる必要があります。

  • クロム(Cr): 約18%、これにより鋼の表面に酸化物の保護膜が形成され、酸素や水分からの腐食を防ぎます。
  • ニッケル(Ni): 約8%、これにより保護膜の安定性が高まり、特に酸性環境や海水などに対する耐食性が強化されます。

JIS規格により、すべてのSUS304製品は一定の品質基準を満たさなければならず、これにより、どのメーカーが製造したものであっても、製品の耐久性や性能が信頼できるものになります。

SUS304の特長と利点

主な特長

  • 優れた耐食性
    表面に自然に形成される酸化膜により、高い防錆性を発揮します。湿気の多い厨房機器や食品加工設備に最適です。
  • 優れた加工性
    引張、曲げ、溶接などが容易で、複雑な形状の製品にも対応可能。シンクや作業台、産業機器などの製造に適しています。
  • 高い耐熱性
    連続使用で約870℃、短時間で約800℃まで耐えられるため、加熱機器や高温環境下での使用にも対応します。
  • 良好な機械的特性
    強度と靭性のバランスに優れ、負荷がかかっても割れにくいため、精密な設計にも対応可能です。
  • 非磁性
    磁性を持たないため、医療機器や電子機器など磁場の影響を避けたい用途にも使用できます。

注意点(欠点)

  • 塩分や塩素を含む環境(海水、塩素系洗剤など)では腐食が発生する可能性があります。
  • 450〜850℃の温度範囲で熱処理を行うと「感受性(センサティビティ)」と呼ばれる現象が起き、粒界腐食が進行することがあります。

SUS304の化学成分

SUS304の特性を理解するには、化学成分の把握が重要です。成分の割合によって耐食性や強度、加工性が変わります。以下はJIS G 4303:2012に基づく成分とその主な役割です。

成分 記号元素名規格値主な役割
C炭素0.08%以下強度を高めるが、多すぎると耐食性を低下させる
Siケイ素1.00%以下脱酸作用、耐酸化性・耐熱性の向上
Mnマンガン2.00%以下オーステナイト組織の安定化、脱酸・脱硫、高温強度の向上
Pリン0.045%以下不純物。多いと脆性が増す
S硫黄0.030%以下不純物。多いと耐食性・溶接性を低下(SUS303では意図的に添加)
Niニッケル8.00~10.50%オーステナイト組織の安定化、耐食性・耐熱性・靭性の向上
Crクロム18.00~20.00%不動態皮膜を形成し、耐食性の基本を担う
Fe残部主成分

SUSとは?ステンレス基礎知識

「SUS」の意味

SUS304は18%のCrと8%のNiを含み、耐食性が高く非磁性のオーステナイト系ステンレスです。炭素は強度を高めますが、多すぎるとCrと結びついてCr不足を起こし、耐食性が低下します。そのため、炭素量は0.08%に制限されています。さらに炭素量を減らしたSUS304Lは、溶接後の耐食性に優れています。

SUSとはJIS(日本工業規格)で定められたステンレス鋼の記号です。Steel Use Stainlessの略で、たとえばSUS304、SUS430などがあります。

アメリカでは「Type 304(AISI規格)」などの表記が使われますが、SUS表記も国際的に通用します。

ステンレス鋼の定義

ステンレス鋼は、鉄(Fe)を主成分とし、クロム(Cr)を10.5%以上含む合金です。表面に不動態皮膜を形成し、サビにくい特徴があります。さらにニッケルやモリブデンなどの元素を加えることで、耐食性・強度・加工性が向上します。

「ステンレス」と「ステン」、「鋼」の違い

  • ステンレス鋼:正確な技術用語
  • ステンレス:製品名や日常的な呼び方
  • ステン:建築・現場でよく使われる略語
  • 鋼(Steel):ステンレスを含む鋼材全般

ステンレスの分類と代表例

ステンレスは主に5種類に分類され、それぞれの特徴に応じて使い分けられます。

系統主な鋼種特徴磁性
オーステナイト系SUS304非磁性。加工性・耐食性が良い無し
SUS304L炭素が少なく、溶接後の耐食性が良い無し
SUS316Mo添加で酸や塩水への耐性が高い無し
SUS303被削性に優れるが、耐食性はやや劣る無し
フェライト系SUS430磁性あり。安価で装飾用途に多い有り
SUS444Mo添加で耐食性が向上有り
マルテンサイト系SUS410焼入れ可。硬くて刃物に使われる有り
SUS420J2より硬い。包丁や金型に使用される有り
二相系(混合)SUS329J4Lオーステナイト+フェライト。強度と耐食性両立有り
析出硬化系SUS630熱処理で高強度化。航空機部品などに使用有り

SUS304はバランスの取れた基本鋼種で、最もよく使用されます。他の種類は目的や環境に応じて使い分けられています。

【比較】SUS304・SUS430・SUS316・SUS303 ― どれを選ぶべき?

鋼種主な成分耐食性加工性磁性主な用途
SUS30418%Cr, 8%Ni★★★★☆非常に良好無し家庭用品・産業用機械
SUS31618%Cr, 10〜14%Ni, 2〜3%Mo★★★★★良好無し医療機器・海辺・化学装置
SUS43018%Cr★★☆☆☆普通有り家電・建材
SUS30318%Cr, 8%Ni + S/P(硫黄/リン)★★☆☆☆快削性に優れる(加工しやすい)無し小型部品の量産加工

まとめ

  • SUS304:バランスが良く、耐食性・加工性に優れる。家庭用・産業用ともに汎用的。
  • SUS430:コスト重視の用途に最適。磁石につくので識別しやすい。
  • SUS316:塩分や薬品に強く、過酷な環境に最適。価格は高め。
  • SUS303:快削性に特化。切削加工の量産に適しているが、耐食性は劣る。

関連記事:SUS304とSUS430の意味や特徴の比較、ステンレスの用途の違いについて解説!

SUS304とは?用途と適切 なステンレス鋼の選び方

SUS304は最も一般的なオーステナイト系ステンレス鋼で、約18%のクロムと約8%のニッケルを含みます。耐食性、加工性、耐熱性、強度、非磁性、そしてコストバランスに優れており、「ステンレスの万能選手」と呼ばれています。

分野具体的な用途選ばれる理由
家庭用品・厨房機器シンク、調理台、鍋、食器、魔法瓶など水・洗剤に強い、加工しやすく、衛生的
建築資材手すり、ドア、外装パネル、屋根、エレベーター内装など耐候性、意匠性、メンテナンス性
産業機械・設備食品加工装置、配管、反応槽、製紙機械など薬品や食品に耐える、耐熱・洗浄性
輸送機器自動車部品、鉄道車両、船舶部品など耐食性・耐熱性・意匠性に優れる
医療・福祉機器手術用トレー、医療カート、車椅子部品など衛生的で洗浄・消毒に強い(※埋め込み用途にはSUS316L推奨)
その他ボルト、ナット、バネ、配管、原子力設備など幅広い分野で使用可能

SUS304と他ステンレス鋼との比較

比較対象強み弱み適した用途
SUS430価格が安い、磁性あり耐食性や加工性はSUS304より劣る家電外装、コスト重視製品
SUS316耐塩素・耐薬品性が高い高価医療機器、海辺、化学プラント
SUS303切削加工性が非常に良い耐食性がやや低い小物部品の大量生産

SUS304のまとめ

SUS304は、18%クロムと8%ニッケルを含むオーステナイト系ステンレス鋼で、優れた耐食性、加工性、適度な強度と靭性を持ち、日用品から産業機械、建材まで幅広く使用されます。

ただし、塩化物環境下での腐食熱伝導性の低さがデメリットです。耐食性がより求められる場合はSUS316、切削加工性が必要な場合はSUS303、コスト重視ならSUS430を選ぶと良いでしょう。

SUS304の特性を理解することで、用途に応じた適切な材料選定ができます。用途に最適なステンレス鋼を選ぶことは、製品の品質とコストパフォーマンスを左右します。SUS304の特性を理解し、最適な素材選定にお役立てください。

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